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ISO/IEC 27001認証(ISMS) ~企業の危機管理を強化する安否確認システムの選び方~

ISO/IEC 27001認証(ISMS) ~企業の危機管理を強化する安否確認システムの選び方~

2024/09/27(2024/10/01). ISMSISO/IEC27001ITreview安否コール安否確認安否確認システム情報セキュリティマネジメントシステム情報開示認定

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ISO/IEC 27001認証(ISMS) ~企業の危機管理を強化する安否確認システムの選び方~

安否確認システムは、災害や緊急事態時に従業員や関係者の安否を確認し、適切な対応を支援するために欠かせないツールです。そのため、システムの安全性と信頼性は非常に重要です。「ISO/IEC 27001認証」を取得したメーカーの安否確認システムを選定することは、情報セキュリティの確保、法令遵守、緊急時の迅速な対応力の向上が期待でき、企業の危機管理能力を強化することができます。

本コラムでは、「ISO/IEC 27001認証」の概要と、安否確認システムの選定においてメーカーの「ISO/IEC 27001認証」の有無がいかに重要なポイントになるかを解説します。
安全で信頼できる安否確認システムを導入するために、ぜひ参考にしてください。

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「ISO/IEC 27001認証」とは

「ISO/IEC 27001認証」は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格であり、企業などの組織が情報セキュリティリスクを管理するために策定された枠組みです。国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)によって策定され、情報資産の機密性、完全性、可用性を確保するための管理手法が規定されています。この認証を取得することで、組織は情報セキュリティへの取り組みを外部に証明し、顧客やパートナーからの信頼性を高めることができます。

「ISO/IEC 27001認証」は、データやシステム、ネットワークなどあらゆる情報資産に適用され、特にビジネスの継続性、顧客情報の保護、法令遵守に重点を置いています。また、PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルに基づく継続的な改善を促し、組織全体のリスク管理体制の構築を支援します。技術的なセキュリティ対策だけでなく、全体的な管理プロセスに情報セキュリティを組み込むことで、トップマネジメントから現場まで、すべての層がリスク管理に責任を持つ体制を作り出します。

「ISO/IEC 27001認証」は、情報セキュリティリスクを体系的に管理し、顧客やパートナーからの信頼を得るための重要な認証であり、ビジネスの持続性や競争力強化、法令遵守の支援など、多くのメリットをもたらします。

安否確認システムを導入やリプレイスする際の「ISO/IEC 27001認証」の重要性

安否確認システムは、従業員の個人情報や位置情報などの機密性の高いデータを扱います。したがって、システムの導入やリプレイスの際には、メーカーが「ISO/IEC 27001認証」を取得しているかどうかを確認することが重要となります。

「ISO/IEC 27001認証」を取得しているメーカーは、情報の機密性、完全性、可用性を確保するための厳格な管理体制が整っており、個人情報漏洩のリスクを大幅に低減します。また、個人情報保護法などの法令遵守が徹底されるため、法的リスクも最小限に抑えられます。さらに、認証取得メーカーは、継続的なリスクアセスメントやセキュリティ改善を行い、緊急時でもシステムが高い信頼性を持って運用されることが期待できます。これにより、非常時の迅速な情報伝達が確保され、企業の危機対応能力が強化されます。
また、外部サービスプロバイダやデータセンターといったサプライチェーン全体のセキュリティリスクも管理しているため、システム全体のセキュリティレベルが維持されます。

一方、認証を取得していないメーカーのシステムでは、セキュリティ対策の有効性や法令遵守の体制が不明確で、データ漏洩やインシデント発生時の対応に信頼性を欠くリスクがあります。こうしたリスクは、緊急時の混乱や業務停止、企業の信用失墜につながる恐れがあります。

安否確認システムを導入やリプレイスする際には、「ISO/IEC 27001認証」を取得しているメーカーを選定することが、情報セキュリティを確保し、企業の危機管理能力を向上させるために不可欠です。

「ISO/IEC 27001認証」取得メーカーシステムの利用メリット

「ISO/IEC 27001認証」を取得したメーカーが提供する安否確認システムを利用することで、システムを直接使用する従業員や管理者には次のようなメリットがあります。

  1. 安心して使用できるセキュリティ環境
    「ISO/IEC 27001認証」を取得したメーカーのシステムは、個人情報や緊急連絡先、位置情報などの機密データが厳重に保護されるよう設計されています。これにより、従業員は自分のデータが安全に管理されているという安心感を持ってシステムを利用でき、管理者もセキュリティ上の懸念が少なく、システム運用に専念できます。

  2. 正確で信頼性の高い情報提供
    緊急時には、正確な情報の迅速な伝達が不可欠です。「ISO/IEC 27001認証」を取得したメーカーのシステムは、データの完全性が確保されており、信頼性の高い情報を提供します。これにより、従業員は混乱することなく適切な判断を下し、緊急対応時に冷静に行動することが可能になります。

  3. インシデント発生時の迅速な対応
    「ISO/IEC 27001認証」を取得したメーカーは、セキュリティインシデントの発生時に備えた対応手順を明確に整備しています。これにより、問題が発生しても迅速な対応が可能で、システムの早期復旧が実現され、利用者は業務の継続性を維持できます。

  4. 安心感と心理的な安全性の向上
    システム利用者は、自分の情報が保護されていると感じることで、心理的な安心感を得られます。緊急時にも自分の安否や居場所を安心して報告できる環境は、従業員の安全意識を高め、企業への信頼感を強化します。

  5. ユーザエクスペリエンスの向上
    「ISO/IEC 27001認証」を取得したメーカーのシステムは、運用の安定性が高く、ユーザにとって使いやすい環境が提供されます。システムの信頼性により、利用者はストレスなく操作でき、緊急時でもシステムが確実に機能することで、業務効率が向上します。


これらのメリットは、システム利用者にとって大きな価値を提供し、緊急時の安心感や安全性を確保するために重要な要素となります。

「ISO/IEC 27001認証」を未取得のメーカーシステムの危険性

安否確認システムを検討する際、「ISO/IEC 27001認証」を取得していないメーカーが「導入コストが安価」や「設定が簡単」といったメリットを強調することがあります。しかし、その背後には、利用者にとって深刻なデメリットが存在する可能性があります。認証を取得していないメーカーのシステムを利用すると、システムを直接使用する人にとって以下のようなデメリットがあります。

  1. 個人情報や緊急連絡先のセキュリティリスク
    認証未取得のメーカーのシステムでは、個人情報や緊急連絡先、位置情報などの機密データが適切に保護されている保証が不十分である可能性があります。そのため、データ漏洩や不正アクセスのリスクが高まり、従業員のプライバシーや安全が脅かされる恐れがあります。情報が不正に使用された場合、利用者が直接的な被害を受けるリスクが増します。

  2. インシデント発生時の対応が不十分
    認証を取得していないメーカーでは、セキュリティインシデント発生時の対応手順や復旧計画が整備されていない可能性があり、問題が発生しても迅速に対処できないことがあります。このような状況は、システム利用者に長時間の不便を強いるほか、業務の中断や必要な情報が提供されず、混乱を招く原因となります。

  3. システムの信頼性不足による不安感
    システムの信頼性が欠如していると、利用者は不安を抱えながら使用することになり、適切な判断や対応が遅れる原因となります。運用の安定性が保証されていないため、緊急時に必要な機能が動作しないリスクもあり、システムへの信頼性が低下し、利用者にとって「使えない環境」が生まれます。

  4. 法令遵守の不備によるリスク
    認証未取得のメーカーのシステムは、個人情報保護法やその他の法規制への適合が不十分である可能性があります。データ漏洩が発生した場合、利用者は自身の情報が不正に使用されるだけでなく、法的トラブルに巻き込まれるリスクも増大します。

  5. 継続的な改善の欠如による安全性の低下
    認証を取得しているメーカーは継続的な改善を行う仕組みが整っていますが、未取得のメーカーではこれが期待できません。新たなセキュリティ脅威に対して脆弱なままとなるため、利用者のデータが最新の攻撃手法に晒されるリスクが高まります。


このように、認証を取得していないメーカーのシステムには多くのデメリットがあり、安否確認システムの性質上、これらは致命的な問題となり得ます。利用者にとって安心して利用できるシステムとは必ずしも言えません。

メーカーにとっての「ISO/IEC 27001認証」取得のメリット

安否確認システムのメーカーにとって、「ISO/IEC 27001認証」の取得はさまざまなメリットをもたらします。

  1. 製品の信頼性とブランド価値の向上
    「ISO/IEC 27001認証」は、メーカーのセキュリティリスク管理体制が国際基準に準拠していることを第三者機関が認証するもので、製品の信頼性が大幅に向上します。セキュリティ対策が徹底された製品は顧客に安心感を提供し、満足度の向上に寄与します。特に、セキュリティ基準が厳しい公共機関や大企業では、認証の有無が契約条件になることが多く、これにより競争力が高まり、ビジネス拡大の機会が増えます。

  2. 法令遵守の支援とリスク低減
    「ISO/IEC 27001認証」を取得することで、個人情報保護法などの情報セキュリティに関する法令や規制に対応した体制が整備され、リーガルリスクが低減します。規制の改正にも迅速に対応できるため、法的問題や訴訟の回避に役立ちます。

  3. 継続的な改善と業務プロセスの最適化
    「ISO/IEC 27001認証」の取得には、セキュリティリスクの定期的な評価と改善が求められ、業務プロセスの効率化とセキュリティの向上が促されます。継続的な改善により、システム障害時の対応力が強化され、損失を最小限に抑えることができます。

  4. サプライチェーン全体のセキュリティ強化
    「ISO/IEC 27001認証」は、サプライチェーン全体のリスク管理にも重点を置いています。外部業者への適切なセキュリティ要求や監査を通じて、システムを含めた全体のセキュリティレベルを向上させることで、製品の質と顧客満足度の向上を実現します。

  5. 社内のセキュリティ意識向上
    認証取得には全社的な取り組みが必要であり、これにより社員のセキュリティ意識が向上します。組織全体のリスク対応力が強化されるため、経営の安定性にも寄与します。


「ISO/IEC 27001認証」の取得は、メーカーにとって製品の信頼性向上、法令遵守、競争力の強化など、ビジネスの持続性と成長を支える戦略的に有益な選択肢です。

メーカーにとっての「ISO/IEC 27001認証」未取得のデメリット

安否確認システムのメーカーが「ISO/IEC 27001認証」を取得していない場合、情報セキュリティ面や市場競争力の面で多くのデメリットが生じます。以下に、認証未取得の具体的なデメリットを説明します。

  1. 製品の信頼性と顧客の信頼の低下
    「ISO/IEC 27001認証」を取得していない場合、システムのセキュリティ対策が不透明と見なされ、特に緊急時に信頼性が欠けると判断されることがあります。その結果、セキュリティを重視する顧客から選ばれにくくなり、長期的なビジネス関係の構築が難しくなります。

  2. セキュリティインシデント発生時のリスク管理不足の危険
    認証未取得の場合、体系的なリスク管理が整っていないことがあり、セキュリティインシデントが発生しても迅速かつ効果的に対応できないリスクがあります。対応の遅れは被害の拡大や再発を招き、企業の信用を著しく損なう原因となります。

  3. 法令遵守の欠如による法的リスクの増大
    「ISO/IEC 27001認証」の有無は法令遵守の指標ともなります。重大なインシデントが発生した際には、個人情報保護法などの法令違反による罰金や訴訟のリスクが高まります。個人情報を扱う安否確認システムにとって、法令違反は特に重大な問題です。

  4. 競争力の低下とビジネスチャンスの喪失
    一部の顧客は取引条件として「ISO/IEC 27001認証」の取得を求めるため、未取得のメーカーは契約を逃すリスクがあります。特に、政府機関や大企業との取引では、厳しいセキュリティ基準が設定されており、認証がないことが市場参入の障害となります。

  5. サプライチェーン全体のセキュリティリスクの管理不足
    「ISO/IEC 27001認証」を取得していない場合、サプライチェーンのセキュリティ管理が徹底されておらず、システム全体の安全性が脅かされるリスクがあります。依存しているデータセンターなどからの情報漏洩といったリスクが高まり、顧客からの信頼を損なう恐れがあります。

  6. 継続的な改善の欠如によるセキュリティ対策の遅れ
    「ISO/IEC 27001認証」はPDCAサイクルによる継続的な改善を求めますが、未取得の場合はこれが整っていないことがあり、新たな脅威に対する対応が遅れる可能性があります。その結果、セキュリティの脆弱性が放置され、インシデントのリスクが増大する恐れがあります。

  7. 社内のセキュリティ意識の低下と業務プロセスの非効率化
    「ISO/IEC 27001認証」取得は社員のセキュリティ意識向上に寄与しますが、未取得の場合は意識改革が行われず、セキュリティ事故や業務効率の低下を招く可能性があります。セキュリティ教育の不足は問題の兆候を見逃す原因となり、重大なインシデントにつながります。


「ISO/IEC 27001認証」の未取得は、製品の信頼性低下、リスク対応力の不足、法令違反リスク、競争力の低下など、多くの問題を引き起こし、企業の成長を阻害します。認証取得は、これらのリスクを軽減し、ビジネスの安定性と成長を支える重要なステップとなります。

「プライバシーマーク」との関係性

情報セキュリティに関する認証として、我が国には「プライバシーマーク」制度があります。
「プライバシーマーク」とは、日本における個人情報の適切な取り扱いと保護を促進することを目的として、企業や団体が適切に個人情報を取り扱っていることを示す第三者認証制度です。
「ISO/IEC 27001認証」と「プライバシーマーク」は、共に情報セキュリティと個人情報保護の分野で重要な認証ですが、それぞれ異なる目的を持ちつつ、相互に関連性がある認証制度です。

  • 「ISO/IEC 27001認証」の目的
    「ISO/IEC 27001認証」は組織の情報セキュリティリスクを適切に管理するための枠組みであり、組織全体の情報資産が対象となり、機密性、完全性、可用性の保護を目的としています。

  • 「プライバシーマーク」の目的
    プライバシーマークは、日本国内で個人情報の適切な取り扱いを認証する制度です。JIS Q 15001(個人情報保護マネジメントシステムの要求事項)に基づいています。
    個人情報の取り扱いが主な対象で、企業や団体が個人情報を適切に管理・保護していることを外部に示します。


両者とも情報の適切な管理と保護を目的としているという共通点がありますが、「ISO/IEC 27001認証」は情報セキュリティ全般を対象としているのに対し、「プライバシーマーク」は特に個人情報の保護に焦点を当てています。
「ISO/IEC 27001認証」の取得は、組織が情報セキュリティに対する基本的な管理体制を確立している証明となり、「プライバシーマーク」の取得にも役立ちます。逆に、「プライバシーマーク」の認証取得は、個人情報保護に関する具体的な実施事項が整備されていることを示し、「ISO/IEC 27001認証」の取得にプラスとなります。

「ISO/IEC 27001認証」と「プライバシーマーク」は、それぞれ異なる側面から情報管理を強化するものであり、両方の認証を取得しているメーカーの製品は、より強固な情報セキュリティと個人情報保護の体制を構築していることを第三者機関により証明されていると言えます。

プライバシーマークと安否確認システムについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。

プライバシーマーク ~信頼できる安否確認システムの条件~

 

安全で信頼できる安否確認システム選びのコツ

安否確認システムは、企業の危機管理や事業継続計画(BCP)において重要な役割を果たします。災害や緊急事態時に従業員や関係者の安否を迅速に確認し、適切な対応をサポートするため、システムの信頼性と安全性は極めて重要です。「ISO/IEC 27001認証」を取得したシステムを選ぶことは、これらの要件を満たすための大きな助けとなります。

安否確認システムの導入において、「ISO/IEC 27001認証」を取得したメーカーのシステムを選定することは、情報セキュリティの確保、法令遵守の支援、緊急時の迅速な対応力向上につながります。認証取得済みのメーカーは、セキュリティ対策が標準化され、継続的に改善されるため、信頼性の高い運用が期待できます。メーカーのサポート体制や社内のセキュリティ意識の向上も含め、総合的な視点からシステムを選定・運用することで、企業の危機対応能力を大幅に強化することが可能です。

システム選定の際に役立つのがIT製品のレビュープラットフォーム「ITreview」です。「ITreview」では、一般社団法人日本クラウド産業協会(ASPIC)が認定機関として、クラウドサービスの透明性と信頼性を向上させるために提供している情報開示認定が表示されています。これにより、選定候補の製品が自社のセキュリティ評価基準に合っているかを確認することができます。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

ITreviewでセキュリティ対応情報が掲載

こちらの記事では、「ITreview」の情報開示認定表示が詳細に解説されており、選定の基準として役立ちます。これらの各種情報を参考にし、効率的かつ安心なシステム導入を目指しましょう。

「ISO/IEC 27001認証」を取得している主な安否確認システムの事業者3選

最後に「ISO/IEC 27001認証」を取得しているメーカーの安否確認システムをご紹介します。

株式会社アドテクニカ 安否確認システム「安否コール
1300社以上が利用するパスワードレスの自動配信型サービス

セコムトラストシステムズ株式会社 「e革新」
古くから提供されているオンプレ型の手動配信サービス

インフォコム株式会社 「エマージェンシーコール」
多様な連絡手段で安否を確認可能

運営会社 株式会社アドテクニカ

「世界中のコミュニケーションをクラウドで最適に」することをミッションとして掲げ、2000社以上の法人向けのデジタルコミュニケーションとデジタルマーケティング領域のクラウドサービスの開発提供を行う防災先進県静岡の企業。1977年創業後、インターネット黎明期の1998年にドメイン取得し中堅大手企業向けにインターネットビジネスを拡大。”人と人とのコミュニケーションをデザインする”ためのテクノロジーを通じて、安心安全で快適な『心地良い』ソリューションを提供している。

事業内容
デジタルマーケティング支援
デジタルコミュニケーションプラットフォーム開発提供
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