「操作がシンプルで使いやすい点が魅力的です。」 浜松医科大学様
2024/07/01.
「当院は群馬県内に3つある国立病院機構の施設の一つで渋川市にあり、約650名のスタッフが地域医療に従事しています。」
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決め手はカスタマイズが可能であったことと、候補の中で最もコストパフォーマンスが優れていたことです
- 安否確認システム「安否コール」の利用状況を教えてください。
本学は単科医科大学で、学部は医学部のみです。医学部では医学科と看護学科に分かれており、さらに大学院も設置しています。登録者数は学生、職員、派遣職員等を含めて約4,000名で、そのうち学生だけで約1,400名が登録しています。派遣職員等は任意で登録していただいています。
- 安否確認システム「安否コール」導入のきっかけを教えてください。
毎年一回、国立大学の防災担当者が集まる会議があり、確認したところ安否確認システムを導入する大学が多かったので、導入を検討しました。その過程で「安否コール」を知り、BCPセミナーに参加するなどしたのが導入のきっかけです。安否コール以外にも2社のシステムを比較検討しました。
- 導入前の安否確認はどのような手段でしたか?
連絡網を使用していました。
- 「安否コール」に決めた決め手を教えてください。
「安否コール」に決めた理由は2つあります。
まず、学内からのさまざまな要望に応じたカスタマイズが可能だったことです。具体的な要望は当時ありませんでしたが、候補の中で「安否コール」が最もカスタマイズしやすそうに感じました。
もう一つの理由は価格です。最終的にはコンペでの価格で決定しましたが、「安否コール」が最もコストパフォーマンスが高かったです。
画面がシンプルで「どこで何をやる」というのがすぐにわかり、いろいろなことができるのが良いと思いました
- 使ってみたときの印象を教えて下さい。
第一印象として、管理画面・ユーザ画面ともに「わかりやすい」ということと「全般的に操作が簡単」だと思いました。パッと見た瞬間に「ここはこうだな」というのがわかりやすかったです。画面がシンプルでマニュアルを見なくてもどこで何ができる、というのがすぐにわかりました。前任者からの引継ぎは特に必要ありませんでした。
さらに、CSV形式での出力が可能なため、データ活用の自由度が高く、気に入りました。
- 登録の案内はどのようにされていましたか?
静岡県は大きな地震の可能性が高い地域であり、学内の防災意識は高いと考えて当初は簡易なマニュアルを作成して配布し、自主登録を促していました。しかし、登録に際しさまざまな問題が発生したため、現在は基本的な初期登録を総務課で行い、細かい情報は本人が変更する形に運用を見直しました。
- 登録時の問題点とはどのようなものですか?
本学の人事システムに個人に割り振られる「職員番号」がありますが、同一人物であっても、常勤職員から非常勤職員に変わるような異動が発生すると、この番号が変わります。本来は「安否コール」と人事システムを機械的に連携したかったのですが、この解決が必要です。おそらくカスタマイズが必要とは思いますが、年度予算が決まっていますので、依頼するとしても来年度になると思います。
もう一つ、コロナ明けの防災訓練で配信を行ったときに、退職した者にメールが配信されてしまい、「どうして配信されたのか」というクレームがありました。このケースの他にも、異動のときに本人が自身の情報を修正するのを忘れたということもありました。
どちらも「安否コール」の問題ではありませんが、結果として安否確認がうまくいかないということがわかったので、2年前ぐらいに登録方法の方針を変更しました。
- 学生さんや職員の方々の異動などの対応はどのようにされていますか?
本学は6年制大学ですので毎年200名弱の学生の入れ替えがあり、学生は学務課で、学生以外の職員などは総務課で、ユーザのメンテナンスをしています。全体的な人事データは人事課で管理していますので、異動などの都度、人事課からデータをもらい、CSV加工してメンテナンスする方法です。学生も職員も大学でメールアドレスを配布していますので、基本的にはそのメールアドレスでCSVを使って登録していますが、最終的に登録するメールアドレスなどは本人に任せています。
- 防災訓練について伺います。防災訓練の頻度や時期はどのくらいですか?
安否確認の訓練は年に2回行いますが、特定の月日を設定しているわけではありません。ただし、一般的には防災の日がある9月と2~3月に実施することが多いです。附属病院を持っている関係で病院の救急体制などを見ながら日にちを決めています。事前告知はしたりしなかったりしています。配信訓練の時間帯は一定ではありませんが、事前に告知する場合は学生が多い時間帯を選んでおり、回答率向上のため土曜日の日中に配信するようにしています。
- 回答率はいかがですか?
毎回、回答率の変動はあまりないですね。事前告知の有無にも関係ないようで、だいたい70%いくかいかないか程度です。特に学生の回答率があまり良くないのが課題と思いますが、「メールを見ない」という学生が比較的多いからかも知れません。
ただし予告をすればメールを見ている人は回答してくれるし、ある程度の期間をとって回答期限は定めているので、最終的にそれまでには回答してくれています。今年の新入生からオリエンテーションのときに、安否確認システムの説明および簡易的な訓練を実施して安否回答を呼びかけることにしているので、回答率の変動に注視しています。
コロナ禍のときに連絡事項をメールで配信する対応をしていたのですが、コロナ禍が落ち着いたのでメール確認のクセがある人以外がどのくらい回答をしてくれるかはわかりません。
- なるほど。「安否コール」にはスマホ以外にスマートウォッチから回答できる機能があって、当社だけの特許技術です。回答に使うデバイスの選択肢が増えることで回答率が変わることもありますので、ぜひご検討ください。
- 運用する中で、利用者の方からメールアドレスの変更や機種変更のときのやりかたなどのお問い合わせはどのようにされていますか?
メールアドレスの変更や機種変更対応、アプリのダウンロードのマニュアルを本学に入ってきた方には渡しています。 初期登録は総務課(学生は学務課)で行っているので、二重登録を避けるため登録手順書はお渡ししていません。
各種マニュアルはホームページに掲載しており、随時確認を促しています。
- 自動配信についてですが、地震については現在震度6弱で配信される設定になっています。風水害への活用についてはどのようにお考えですか?
風水害への活用は現在実施していませんが、将来的には活用を検討しています。附属病院もあるため、どのような通知を行うかを防災担当者と共に検討し、計画的に進めていく予定です。
- 回答結果の統計について、どなたかに報告などをされていますか?
集計の確認や最終的な運用は総務課で行い、学内の防災委員会の場で報告しています。
- 未回答者へのフォローはどのようにされていますか?
未回答者へのアクションは特にしていません。過去に回答するよう促すなどしたことはありますが、効果が見られませんでした。 一つの考え方として、本学では「未回答」という結果も一つの「回答」と捉えており、次回配信時の回答率向上の参考として活かしています。
- 2024年1月1日能登半島地震の時の状況はいかがでしたか?
1月1日に地震が発生した際、学生と職員の安否確認が最優先であると判断しました。そのため、学務課と人事課に連絡を取り、対応をどうするかを検討しました。さらに、大学執行部とも話し合った結果、1月3日に手動で安否確認を行うことにしました。
ユーザにとって使いやすいのだろう、と実感しています
- 回答率の課題のお話がありましたが、検討している改善方法をお聞かせください。
この問題に対して、「通知メールを見ない」という問題に対処する必要があると考えています。回答率が70%であることは良い方だと思っていますが、メール通知ではこれが最大限かもしれません。回答率の問題は学内の会議でも課題としてあがっていますので、回答率をあげるために、メール以外の方法で「見られる」安否確認の通知方法がないか、と思います。
- 解決方法として、自動再配信の機能のご利用はいかがでしょうか?
自動再配信の機能は使用していません。これには「未回答も一つの回答である」という考え方もありますが、運用を誤ると「回答しようとしていたのに再通知が来て煩わしい」と感じる人もいるため、感情的な反発のリスクがあると考えています。
- 弊社への要望などがありましたらお聞かせください。
まず回答率に問題について、時代に即した良いアイデアがあればと思いますので、お力添えいただければと思います。
それから能登半島地震で思ったのですが、長い休み中の帰省への対応として自動配信の設定に有効期間と地域を個別に設定して切り替えることができる機能があれば良いですね。保存できるパターンは2~3パターンくらいが良いと思います。
- 掲示板はご利用ですか?
掲示板は利用していません。
実は一般掲示板が能登半島地震の際に問題を引き起こしました。記事やコメントが投稿されるとユーザに通知される機能がありますが、安否確認を送信した1月3日に、ある職員が複数回にわたり、この通知機能を有効にして回答を促すコメントを投稿してしまいました。この結果、掲示板に「回答した」「回答していない」というコメント投稿が継続的に投稿されてしまい、通知がうるさい等のクレームが多数寄せられました。何か対策があれば、と思います。
- 今すぐできる対策としては、掲示板を利用しないのであれば「基本情報設定」画面にある「モバイルサイト閲覧設定」の「掲示板」のチェックを外すとユーザのメニューに掲示板が表示されなくなりますので有効と思います。またカスタマイズが必要ですが、書き込みをする直前にチェックボックスの状態を確認して、チェックが入っていれば書き込みの直前に確認のアラートを表示してワンクッション置く、という方法も考えられます。ご検討いただければと思います。
- 気に入っている機能等がありましたらお聞かせください。
最初にも触れましたが、操作がシンプルで使いやすい点が魅力的です。また、メンテナンスなどの管理の操作が簡単なのも大きな利点です。登録方法についてはマニュアルを用意し、アナウンスもしていますが、回答方法に関するマニュアルやアナウンスは特にしていません。それでも「操作方法がわからない」という問い合わせがないため、ユーザにとって非常に使いやすいのだろう、と実感しています。
- 今後の展望についてお聞かせください。
一番重要なのは、緊急時にシステムがスムーズに機能するかです。緊急時に備え、効果的な訓練の実施が課題です。これは技術的な問題ではなく、意識の問題だと捉えています。
大学概要
「世界中のコミュニケーションをクラウドで最適に」することをミッションとして掲げ、2000社以上の法人向けのデジタルコミュニケーションとデジタルマーケティング領域のクラウドサービスの開発提供を行う防災先進県静岡の企業。1977年創業後、インターネット黎明期の1998年にドメイン取得し中堅大手企業向けにインターネットビジネスを拡大。”人と人とのコミュニケーションをデザインする”ためのテクノロジーを通じて、安心安全で快適な『心地良い』ソリューションを提供している。
- 事業内容
- デジタルマーケティング支援
デジタルコミュニケーションプラットフォーム開発提供 - 認定資格
- ISMS ISO/IEC27001 JISQ27001認定事業者(認定番号IA165279)
プライバシーマーク JISQ15001取得事業者(登録番号10824463(02))
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