「『安否コール』の導入で安否確認の「DX化」ができました。」 東亜電機工業株式会社様
2024/06/21.
「当社は石川県の金沢市にあり、設立87年の歴史がある会社です。建設機械向けの電気部品のほか、GSユアサの特約代理店として電源装置・蓄電池の販売を手掛けています。」
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地震は夜中や休日に発生することもあり、「手動は無理だ。システム化しなければ。」と感じました。
- 安否確認システムを導入しようと思ったきっかけを教えてください。
本社社屋は海からは10キロほどの位置にあり、土砂災害も発生しない地域にあります。
金沢市では2年ほど前から群発地震の発生や集中豪雨がありましたが、当時はフリーソフトのアンケート機能を使って手動で安否確認をしていました。
2022年6月に大規模地震が発生し本社も揺れましたが、この時はそんなにひどい揺れだとは思いませんでした。この地震は日曜日に発生しましたが、会社に出社しないと安否確認メールを配信できず、結果的に配信できたのは翌日の月曜日でした。そして更に回答の集計に時間がかかってしまい、この運用では安否確認に時間がかかりすぎることが大きな課題となりました。
当時は安否確認の運用基準も定められておらず、安否確認の実施/非実施の判断は管理部門で都度協議されており、判断に遅れが発生することがありました。BCP(事業継続計画)に関してもマニュアルが存在しながらも運用の優先度が低く後回しにされていたことも、問題となりました。
「これで良いのだろうか?」と考えていたところ、昨年、線状降水帯による集中豪雨が発生し、梯川(かけはしがわ)が氾濫して近辺の社員が浸水被害を受けました。このときも同じツールで安否確認メールを配信しましたが、この時は配信先に抜け漏れが出てしまいました。
地震は夜中や休日に発生することもあり、配信の遅れや配信先の抜け漏れの発生で「もう手動は無理だ。システム化しなければ。」と感じたため、安否確認システムの導入を検討し始めました。
手間をかけずにさっと安否確認ができるのが良いと思いました。
- 安否確認システム「安否コール」の導入に至った決め手を教えてください。
導入システムを決めるまでに2~3ヶ月かけ、各システムの情報を収集しつつ最終的に大手警備会社様含む3社に絞り込んで比較検討しました。
以前のツールでは、キャリアメールにメールが届かない問題が発生して大変だったので、メールアドレスを使用せず登録できるアプリが魅力的だったことや、もともとOBC社のクラウドシステムを使用していて、そちらからも「安否コール」についてお話を聞いていましたので、手間をかけずにさっと安否確認ができるのが良いと思いました。
最終的に、OBC社のシステムとの連携で従業員情報のメンテナンスが簡単になること、当時の上長と相談した中で、メールアドレスなしでアプリ登録ができるという点が、「安否コール」のコネクトエディション導入の決め手になりました。
「安否コール」により安否確認の「DX化」ができました。
- 「安否コール」導入後の今年、令和6年能登半島地震が発生しました。被害状況や従業員の安否確認についてお聞かせください。
それまでは「北陸は災害が少ない」と思っていましたが、この地震で印象が一変しました。当時の「安否コール」の配信設定は震度5弱で、地域は石川/富山/福井に設定していました。
正月休みで、私は北陸自動車道を走行中に「安否コール」からの通知を受けました。そこで近くのパーキングエリアに車を止めたところ、すぐに自動車道が一斉通行止めとなり、翌朝まで出ることができませんでした。幸い、パーキングエリアの売店はずっと営業してくれて、テレビも点いていたので情報収集や食事は何とかなりました。
発生から30分以内だったと思いましたが、「安否コール」の管理画面を見たところ既に回答が4分の1程度来ていました。今までのシステムだったら、そもそも発報すらできなかったし、ここまで発報と集計が自動でできるというのは、すごく楽だと思いました。私は最近流行りの「DX化」を「時間を買う」ことだと思っていますが、以前のシステムであれば集計は休み明けぐらいでないとできなかったでしょう。「安否コール」はこれが早くて翌日の昼頃には社長へ第一報を報告できたので、安否確認の「DX化」ができました。
また、役員等とは別途連絡を取り、「安否コール」の管理画面を確認してもらいましたが、管理画面のID/パスワードを持っていれば誰でも安否の状況を確認できるため、これが非常に有効でした。
金沢市街は震源から離れていたため、通信規制の影響を受けず、電話は普通につながっていました。他の地域も、震源に近いところを除き翌日には通信が回復しました。
この時、能登空港に勤務していた社員がいて、住んでいたアパートが被災し、空港の事務所で寝泊まりせざるを得ない状況となったようです。この地域では電話が繋がらない状況でした。しかし電話が繋がらなくても安否確認ができ、人的被害がなかったことは大きな救いでした。
その他のライフラインに関しては、当社の従業員は主に金沢近郊や加賀市など震源から遠いところにいたため、大きな問題はありませんでした。しかし、能登の震源に近い地域では断水が酷かったそうです。
能登半島の海側近くの地域では道路が割れるなどの被害があり、七尾市より北では道路の不通により特に酷い物資不足があったそうです。金沢ではスーパーやコンビニが営業していましたが、品揃えが追いつかずおにぎりコーナーなどで商品が補充されずに空の状態だったところもありました。
当社から能登半島にある庁舎などにバックアップ用の電源などの製品を納品していまして、災害協力の協定を結んでいる関係で点検や補修などのサポートを続けています。現地へは落ち着いた頃に向かう予定です。
地震以降、建設部門への問い合わせをたくさん頂いておりますが、通常の業務よりも優先度の高いものや緊急性が高いものを優先しており、工事が止まってしまったこともあって予定されていた点検依頼なども落ち着くまで保留状態になってしまいました。
従業員の中で「安否確認というのは大事なことだ。」と認識してくれているのだと思います。
- 「安否コール」の運用はどのようになさっていますか? また、満足している点や課題等がありましたら教えてください。
まずユーザ登録については導入前に趣旨説明のみの説明会を開き、できる人に自ら登録してもらう形にしましたが、特に問題なく進めることができました。具体的にはグループウエアの掲示板に導入マニュアルとQRコードを載せ、各自で登録をさせてみたところ、9割以上の人は登録に関する質問等なく各自で登録ができました。それから、入社のたびにオリエンテーションの一環で登録をお願いしていますが、登録方法についての質問はほとんどありません。わからない人への個別対応も少なく、導入や設定が手軽だったのが非常に良かったですね。
機種変更時の再登録方法の問い合わせがときどき来るので、掲示板にマニュアルをアップして案内するようにしているのですが、逆に驚いたのは、そういう「安否コール」を入れたいという問い合わせが来ること自体でした。以前はそのようなことはなかったのですが、従業員の中で防災への意識が高まり、「安否確認というのは大事なことだ」と認識してくれたのかなぁ、と思います。防災への意識が高まった、と感じています。
OBC社のシステムとの連携についてですが、社員が増えてもOBC側でメンテナンス作業をすれば夜中に自動で「安否コール」のユーザ情報を更新してくれるので、特別なことをする必要がありません。これは退職時についても同様で、結果としてデータの一元管理が効率的に行われており、両方での情報の抜け落ちもないので、問い合わせもないことから非常に楽です。
当社は事業部制ですが、各事業部のトップを巻き込んで回答をちゃんとするようにお願いしていたのと、最近災害が増えていたことから防災の意識が高まっていることが高い回答率の維持に繋がったと思います。 ほぼ操作は「ボタンを押すだけ」で、字を打ったりするような面倒なことがないので「楽だね」の声があります。
今後は年に一回、防災の日に合わせて避難訓練と「安否コール」の手動配信による安否確認訓練を実施する計画を立てています。
今の回答状況は自主的にできており、回答率は平均でだいたい95~96%程度ですが、社長から「なんとしても100%を!」という指示も出ていることもあり、100%の回答率を目標にしています。
- 今回の能登半島地震で被災された地域社会の復旧と復興に貢献するため、安否確認システム「安否コール」を北陸エリアの企業様に無償で提供することにいたしました。東亜電機工業様にもこのご支援をさせていただこうと思いますが、感想をお聞かせください。
大変ありがたく思います。被災地域へのお心遣い、本当にありがたいです。
当社にも、幸い怪我などはないですが被災した社員がおります。私の一存では決められないところではありますが、御社のお心遣いで余裕ができた予算を被災社員の支援や復興などに当てられればと考えております。
会社概要
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「世界中のコミュニケーションをクラウドで最適に」することをミッションとして掲げ、2000社以上の法人向けのデジタルコミュニケーションとデジタルマーケティング領域のクラウドサービスの開発提供を行う防災先進県静岡の企業。1977年創業後、インターネット黎明期の1998年にドメイン取得し中堅大手企業向けにインターネットビジネスを拡大。”人と人とのコミュニケーションをデザインする”ためのテクノロジーを通じて、安心安全で快適な『心地良い』ソリューションを提供している。
- 事業内容
- デジタルマーケティング支援
デジタルコミュニケーションプラットフォーム開発提供 - 認定資格
- ISMS ISO/IEC27001 JISQ27001認定事業者(認定番号IA165279)
プライバシーマーク JISQ15001取得事業者(登録番号10824463(02))
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