安否確認システムが示す、UXデザインの力
2024/06/18.
現代社会において、災害発生時の迅速な安否確認は人々の生命と安全を守るための最前線です。当社の安否確認システム「安否コール」は、この緊急性に応えるための技術的な飛躍を遂げ、複数の賞を受賞してきました。これらの受賞は単なる名誉ではなく、人々の命を救い安全を確保するための具体的なアプローチが社会に認められたことの証明です。
このコラムでは、それぞれの受賞がどのような意味を持ち、どのような技術革新が評価されたのかを掘り下げます。
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「ASPICアワード」受賞の輝き: 革新的認証技術と高可用性がもたらす安否確認システムの進化
安否確認システムの進化は、災害時の混乱の中で人々の生命と安全を守るための緊急の要請に応えるものです。
安否確認システム「安否コール」は、この分野における技術的革新が高く評価され「ASPICアワード2019」のグランプリを受賞しました。この栄誉は、パスワード不要のユーザ認証技術と、高い可用性を持つプラットフォームの実装が高く評価された結果です。
「ASPICアワード」は、情報通信技術(ICT)の分野で顕著な成果を上げた製品やサービスに与えられる賞で、イノベーションの度合い、利便性、そして社会的貢献が審査の重要な基準となります。
本システムが受賞したのは、既存の安否確認システムの常識を覆す、パスワードを必要としない認証技術を導入したこと、そして中断することなく安定してサービスを提供できる高可用性プラットフォームを構築したことによるものです。
パスワードを必要としない認証技術は、ユーザがストレスの多い状況下でもスムーズにシステムを使用できるようにするための重要な進歩です。
災害発生時、人々はパニックに陥りがちで、従来の認証方法ではパスワードを忘れる、入力を間違えるといった誤操作が生じる可能性が高まり、緊急時の安全確保にとって重大な脅威となり得ます。
安否確認システム「安否コール」では、なりすましなどのセキュリティリスクへの対策を考慮した手順でユーザ登録を行うことができ、登録以降は安否回答時などにIDやパスワードの入力をせずとも使用することができます。
セキュリティと使いやすさは従来相反するものと考えられがちでしたが、安否確認システム「安否コール」では両者が高いレベルで融合しており、その結果、安否情報の入力が安全で迅速かつ確実に行えるようになりました。
UXデザインにおいても、この革新的な技術は大きな役割を果たしています。
高い可用性を持つプラットフォームの実装もまた、「ASPICアワード」グランプリ受賞の要因です。
災害はいつ発生するか予測不可能であり、システムは24時間365日、障害が発生しても迅速に復旧できる堅牢さが求められます。
本システムはクラウドベースのインフラストラクチャにより地理的に分散したデータセンターを活用しており、地震や津波といった地域を襲う大規模な災害においてもインターネットに接続できる環境があればシステムの利用が可能です。
さらに、自動的に負荷を分散する機能を持ち、突発的なアクセス集中にも柔軟に対応できる設計となっています。
これらの特徴が組み合わさることで、安否確認システム「安否コール」は高度な技術と優れたユーザエクスペリエンス(UX)を兼ね備え、「ASPICアワード」グランプリ受賞という高い評価を得るに至ったのです。
常識を覆す、パスワードを必要としない認証技術を導入した |
「グッドデザイン賞」と安否確認システム: IoTと共鳴するUXデザインの新潮流
「グッドデザイン賞」は、デザインの質において卓越性を示す製品やサービスに対し与えられる、日本で最も権威のある賞の一つです。この賞は、外観の美しさに留まらず、社会への貢献、使用者に対する機能性、そして革新的なアプローチが認められた際に授与されます。
当社の安否確認システム「安否コール」が受賞したのは、IoTデバイスとの連携を通じてコミュニケーションの新しいあり方を提供した点、および利用者にとっての快適なUXデザインに対する徹底した姿勢が評価されたからです。
安否確認システム「安否コール」は、スマートフォンやスマートウォッチなどのさまざまなデバイスとシームレスに連動し、災害発生時のユーザの行動や状況をリアルタイムで把握することを可能にすることで、個々の状況に応じた最適なコミュニケーション手段を提供し、安全確保へと繋がる一連のアクションを促進します。
また、このシステムに採用されたUXデザインは、ユーザが直面するかもしれない緊急時の状況を前提にしており、「使いやすさ」を極めて重要視して、すべてのユーザが直感的に操作できるようなインターフェースとなるよう開発されました。
このアプローチは、災害時に利用者が直面するであろう混乱やストレスを考慮し、最も必要とされる機能に焦点を当て、その利用をできるだけ直感的かつシンプルにすることで、迅速な情報共有を可能にします。
「グッドデザイン賞」の審査委員たちは、当社のシステムがユーザ目線で機能を絞り込み、クリーンでシンプルなデザインに落とし込んでいる点を特に高く評価しました。
安否確認システム「安否コール」が提供する体験は、日々の快適さを追求するだけでなく、非常時においても最高のパフォーマンスを発揮するように設計されている点が際立っていました。
安否確認システム「安否コール」は災害時に人々を繋ぎ、安全を確保するための新たな標準となり、さらには日常生活の質を向上させるツールとしての位置付けを確立したのです。
安否確認システムは、BCPの観点から見ても、企業が迅速に従業員の安全を確認し、ビジネスの継続を図る上で欠かせないツールです。
コロナ禍におけるリモートワークの普及など、働き方の多様化が進む中で、従業員一人ひとりの安全を確実に把握することは以前にも増して重要になっています。
安否確認システム「安否コール」は、そうした新しい働き方にも柔軟に対応し、企業のBCP対策を支えるための有効なソリューションを提供しています。
快適なUXデザインを徹底追求した |
「IBM DXチャレンジ」全国大会出場: 安否コール×IoTの革新技術とユーザ中心設計
「IBM DXチャレンジ」は、デジタルトランスフォーメーションを推進し、技術革新を社会実装するためのアイデアやプロジェクトを競い合うイベントです。企業が直面する課題の解決や業務効率の向上、顧客体験の革新を目指す様々な取り組みが評価の対象となります。
2020年の全国大会チャンピオンシップでは、当社の安否確認システム「安否コール」が「現場の安全を守る安否コール×IoTソリューション」をテーマとして出場し、その高い技術力と革新性を競いました。
「IBM DXチャレンジ」全国大会チャンピオンシップにおいて当社のシステムは、IBMの先端技術であるIBM WatsonとNode-REDを利用したPoC(Proof of Concept)実装を通じて、多言語への対応と音声認識技術を活用した新しい安否確認のプロセスを提示しました。この技術の組み合わせによって、多国籍の従業員がいる環境においても言語の壁を越えた安否確認が可能になり、その高いアクセシビリティが評価されました。
また、AmazonのAIスピーカー「Alexa」を通じて、手軽に安否情報の登録や確認ができる仕組みを導入したことで、ユーザ体験の向上に寄与しています。
「IBM DXチャレンジ」では、技術革新とユーザ重視なデザインの統合が特に評価されました。
IBM Watsonの強力な自然言語処理能力と、Node-REDの柔軟なワークフロー構築能力により、安否確認プロセスはより迅速かつ正確になり、特に緊急時のコミュニケーション効率の向上に貢献しています。このシステムは、日常の運用だけでなく、災害時の混乱の中でも確実に情報を伝えることが可能であり、そうした状況下での人々の安全と安心を提供します。
技術革新とユーザ重視なデザインの統合が特に評価された |
受賞に導くUXデザインの力: 安否確認システムのユーザ体験革新
UXデザインの重要性は、今や多くの分野で認識されていますが、特に災害時の安否確認システムにおいてその価値は計り知れません。
安否確認システム「安否コール」が「ASPICアワード」、「グッドデザイン賞」、そして「IBM DXチャレンジ」での評価を受けた理由は、革新的な技術とユーザ重視の設計思想が見事に融合した結果です。
UXデザインの設計では、製品やサービスが提供する経験全体に焦点を当てます。本システムにおいては、情報の明確さ、アクセスの容易さ、操作の直感性などが緊急時の迅速な安否確認と意思決定を支援します。
UXデザインの根底にあるのは、ユーザが抱える問題を理解し、その問題を解決するためのインターフェイスを設計することです。すべてのユーザが直面する可能性のある極限状態を想定し、ストレスの多い環境下でも直観的かつ迅速に安否の回答ができ、ユーザの安否情報を集計して適切なアクションを取ることできるかが重要です。
受賞理由の一つとして、安否確認システム「安否コール」がユーザファーストの姿勢であることが挙げられます。
システムは、実際の利用者や潜在的ユーザとの深い対話を重ね、その意見や感想を製品開発に直接反映させることで、使用者にとって最も重要な機能が前面に押し出されています。
これはアクセシビリティの向上に留まらず、多様なニーズに対応するためのカスタマイズ機能の提供も含まれています。
さらに、UXデザインの成果は、単なる機能性の改善にとどまらず、システムの持続可能性と進化にも寄与しています。
システムは、継続的なユーザフィードバックを経て進化し続け、新たな技術的進歩を取り入れる柔軟性を持っています。このプロセスは、ユーザ体験を常に最新の状態に保ち、災害時の不確実性にも対応できるようにしています。
最終的に、受賞に導いたUXデザインの力は、ユーザが直面する困難な状況での判断を支援し、安全を守るための行動を促すことにあります。
本システムが受賞したのは、ただ優れたデザインを持っているからではなく、ユーザにとって実際に価値があり、生命を救う可能性を高める製品であると認められたからなのです。
ストレスの多い環境下でも直観的かつ迅速に安否の回答ができる |
UXデザインを評価され数々の賞を受賞した安否確認システム「安否コール」
「世界中のコミュニケーションをクラウドで最適に」することをミッションとして掲げ、2000社以上の法人向けのデジタルコミュニケーションとデジタルマーケティング領域のクラウドサービスの開発提供を行う防災先進県静岡の企業。1977年創業後、インターネット黎明期の1998年にドメイン取得し中堅大手企業向けにインターネットビジネスを拡大。”人と人とのコミュニケーションをデザインする”ためのテクノロジーを通じて、安心安全で快適な『心地良い』ソリューションを提供している。
- 事業内容
- デジタルマーケティング支援
デジタルコミュニケーションプラットフォーム開発提供 - 認定資格
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