アドテクニカ・BCPニュースレター 【災害は忘れた頃にやってくる~複合災害としての能登半島地震~】
2024/03/13.
このコラムも回数を重ねてまいりましたが、書き始めたのは2019年2月です。
当初のきっかけは、BCPに欠かせないITツールとしての安否確認システムについて、筆者が講師を務めた講演がきっかけでした。
最初はBCPの内容に関するメルマガでしたが、その後コロナ禍が発生し、それが収束しつつある中で、今回の能登半島地震が起こりました。
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特別な複合災害の発生
この間に、静岡市では2022年9月に台風15号による豪雨災害で大きな被害がありました。
そして、今年1月1日の元日に能登半島を襲った地震は、日本中の正月気分を消沈させるほどの影響を与えました。まさに「災害は忘れた頃にやってくる」との言葉の通りです。
しかも、それは今までに経験したことのない様々な被害要素が同時に起こった「複合災害」でした。
コロナ禍が始まった時、「こんな時に地震が起きて避難所での共同生活が必要になれば、二重の災害となる」と以前のコラムで指摘しました。
この考えが「複合災害」という言葉と共に、防災関係者の間で広まりました。
しかし、今回の能登半島地震は、これまでのものを遥かに超える、多様な要因が同時に発生した特別な複合災害だと理解していただきたいと思います。
その特徴をいくつか挙げてみます。
能登半島地震の特徴
まず、能登半島地震の自然災害としての特徴は以下の通りです。
- 活断層による逆断層型地震で、その前震は2020年から活発になっており、地下の流体が活断層に流れ込んで地盤を押し上げた地震であると考えられている。
- 震度7の揺れは、キラーパルスと言われる地震動であり、旧耐震の木造建物だけでなく、多くの耐震建物にも被害が及んだ。
- 沿岸部が85kmに渡って海底隆起し、最大で4mの地盤隆起が観測された。
- 液状化現象は、石川県と富山県の埋め立て地と沖積平野で発生し、千軒以上の住宅に被害をもたらした。
- 寒冷地での極寒時期に発生した災害だった。
これらが一度に発生したのは、今までにない特徴です。
さらに、社会的被害が早期復旧・復興を妨げています。
次回のコラムでは、その点について詳しくお話ししたいと思います。
<<筆者のご紹介>>
IST経営コンサルティング
石井 洋之
静岡県BCPコンサルティング協同組合 理事
静岡県立大学客員共同研究員・静岡大学講師
中小企業診断士
博士(学術)
「世界中のコミュニケーションをクラウドで最適に」することをミッションとして掲げ、2000社以上の法人向けのデジタルコミュニケーションとデジタルマーケティング領域のクラウドサービスの開発提供を行う防災先進県静岡の企業。1977年創業後、インターネット黎明期の1998年にドメイン取得し中堅大手企業向けにインターネットビジネスを拡大。”人と人とのコミュニケーションをデザインする”ためのテクノロジーを通じて、安心安全で快適な『心地良い』ソリューションを提供している。
- 事業内容
- デジタルマーケティング支援
デジタルコミュニケーションプラットフォーム開発提供 - 認定資格
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