アドテクニカ・BCPニュースレター 【企業を取り巻く新たなリスクへの対応】
2023/12/15.
前回では、今年100年目の区切りを迎えた関東大震災の災害で教訓となった風評被害についてお話ししました。
このメルマガをご覧の方は、企業にお勤めの方やその経営者の方が多いと思いますので、今回は企業を取り巻く新たなリスクへの対応のお話しをします。
index
BCPに関する国の指導書とは
BCPに関する国の指導書は、内閣府が公表している「事業継続ガイドライン」です。
初めてこのガイドラインが公表されたのは平成17年8月です。「-あらゆる危機的事象を乗り越えるための戦略と対応-」の副題が付けられて公表されました。
その狙いは「『民間と市場の力を活かした防災戦略の基本的提言』(平成 16 年 10 月)に BCP 策定の重要性が盛り込まれ、その普及促進のため、本ガイドライン第一版を策定した。」と書かれています。
その後、数回の改定が行われ、今年も3月に新たな改訂版が公表されました。改定の主な点は2つです。
一つは「テレワークの活用に関する言及を増やすとともに、オンラインを活用した意思決定を行える仕組みの整備などに言及」、二つ目は「情報セキュリティー強化などに言及」です。
どちらもその背景は3年に及ぶコロナ禍の企業に与えた影響によって新たにもたらされるリスクへの対応の重要性を指摘しています。
働き方改革とリスク
働き方改革の中に潜む新たなリスクは、日々、私たちも肌で感じるようになってきました。
身体的には通勤がなくなり楽になったと思う反面、近くに同僚がいない点がかえって生産性を落とす面や、無駄話と言われていた雑談がなくなったことでのコミュニケーション不足は、精神的なストレスの増大にもつながることも分かってきました。
そのため、働き方改革も、一律的な改革ではなく、そのメリットやデメリットを良く見極めて、自社にとって最も良い方法は何かの選択肢を従業員が選ぶ企業も出てきました。
中小企業の未来
その方法が一様なものではないことが明らかになりました。
一方、中小企業には、人手不足という新たなリスクが襲い掛かっている中で、働き方改革どころではないという声も多く聞かれます。
さらに、世界の遠いところで起っていると思っていた、ウクライナVSロシアの戦争や、イスラエルとパレスティナの戦争は、原料不足や物価高騰の引き金となって日本の中小企業に大きなダメージを与えています。アメリカと中国の対立もあります。まさに混沌として不透明な時代(ブーカ『VUCA』の時代)に入り、前向きに「どう生き残っていくか!」を求められています。
これからが中小企業経営者の腕の見せ所です。
次回は、VUCAの時代についてのお話をいたします。
<<筆者のご紹介>>
IST経営コンサルティング
石井 洋之
静岡県BCPコンサルティング協同組合 理事
静岡県立大学客員共同研究員・静岡大学講師
中小企業診断士
博士(学術)
「世界中のコミュニケーションをクラウドで最適に」することをミッションとして掲げ、2000社以上の法人向けのデジタルコミュニケーションとデジタルマーケティング領域のクラウドサービスの開発提供を行う防災先進県静岡の企業。1977年創業後、インターネット黎明期の1998年にドメイン取得し中堅大手企業向けにインターネットビジネスを拡大。”人と人とのコミュニケーションをデザインする”ためのテクノロジーを通じて、安心安全で快適な『心地良い』ソリューションを提供している。
- 事業内容
- デジタルマーケティング支援
デジタルコミュニケーションプラットフォーム開発提供 - 認定資格
- ISMS ISO/IEC27001 JISQ27001認定事業者(認定番号IA165279)
プライバシーマーク JISQ15001取得事業者(登録番号10824463(02))
ASP・SaaSの安全・信頼性に係る情報開示認定事業者(認定番号0239-2004)