アドテクニカ・BCPニュースレター 【令和4年台風15号と災害情報】
2022/12/15.
前々回のBCPニュースレターでは「想定外のリスク」についてご紹介しましたが、今回もこの「想定外のリスク」についてお話します。
それは、9月23日・24日に静岡県を襲った台風15号の被害についてです。
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にわかに信じられなかった災害
私は、たまたま東北に出張中で当日の被害は、24日の朝のニュースで知りました。
静岡市を襲った水害は昭和49年七月七日の七夕豪雨がありましたが、それにも匹敵する雨量が静岡を襲ったと聞き、にわかに信じられませんでした。
幸いわが家は無事でしたが、2㎞程離れた、瀬名川、鳥坂、高部など大谷放水路の下流にある巴川沿いの清水区地域は軒並み水につかった様子がテレビに映し出されました。
まさに「想定外のリスク」でした。
静岡地方気象台が発表した気象速報の内容
後日、静岡地方気象台が発表した「令和4年台風15号に関する静岡県気象速報」の内容をお知らせします。
この台風の勢力は、23日、昼の12時までは1,000へクトパスカル程度の低気圧で、静岡県の南岸100kmほどのところで温帯低気圧に衰えるとの予報で、大雨注意報の気象情報の発表でした。
しかし、23日19時には大雨警報と洪水警報を発表し、土砂災害の注意を呼びかけました。
静岡気象台は、この台風が降らす雨は、線状降雨帯によるもので特別な警戒が必要であると呼びかけました。案の定、21時頃より連続して時間雨量40mmを超す土砂降りになり、それが12時近くまで続きました。22時頃には、1時間雨量80mmに迫る雨量で大災害を想定される雨量になりました。
23日23時から24日午前1時頃には、1時間雨量は12mm程度と小康状態となりましたが、午前2時頃、1時間降水量107mmというとんでもない雨量でとどめを刺され、一気に市内各地の中小河川が溢水して内水氾濫が拡がりました。
災害の結果
結果的に静岡市を流れる巴川の大谷放水路より下流地区で浸水が拡がり、清水区の瀬名、鳥坂、高部、大内、押切、渋川、江尻等、巴川の河口に至る地区がほぼ浸水地域となってしまいました。
静岡市の発表では、床上浸水家屋は4,383棟、床下浸水1,648棟という大災害になりました。七夕豪雨を契機とした水害対策として平成11年に完成した大谷放水路が巴川上流部の浸水を低減させましたが、その下流地区に被害が集中していることから、同地区の今後の水害対策が急務とされます。
何よりも、本災害で人的被害がゼロであったことは、不幸中の幸いであったとも言えます。
しかし浸水の被災者の方々には、心よりお見舞い申し上げますとともに、多くの支援が必要であることを皆様にお伝えします。
さらに、災害時の情報伝達の重要性を知らされた災害でもありました。
この件については、次回以降に書きます。
<<筆者のご紹介>>
IST経営コンサルティング
石井 洋之
静岡県BCPコンサルティング協同組合 理事
静岡県立大学客員共同研究員・静岡大学講師
中小企業診断士
博士(学術)
「世界中のコミュニケーションをクラウドで最適に」することをミッションとして掲げ、2000社以上の法人向けのデジタルコミュニケーションとデジタルマーケティング領域のクラウドサービスの開発提供を行う防災先進県静岡の企業。1977年創業後、インターネット黎明期の1998年にドメイン取得し中堅大手企業向けにインターネットビジネスを拡大。”人と人とのコミュニケーションをデザインする”ためのテクノロジーを通じて、安心安全で快適な『心地良い』ソリューションを提供している。
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