アドテクニカ・BCPニュースレター 【不正防止のためにDXを!】
2022/03/14.
前回のBCPニュースレターでは「コロナ禍とデジタル後進国」について、そのお話の一部をご紹介しました。
そのあと、官僚の仕事でとんでもないことが起こりました。統計データの書き換え問題です。問題というより事件という方が、当たっています。
デジタル社会に向かってのスタートラインに立ったのに最初からフライングしている選手のようで恥ずかしくもあり悲しくもありました。
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デジタル化社会におけるデータの注意点
デジタル化社会は「単にコンピュータを使いこなしましょう」ということではなく、様々なデータを活用してその中から有益な情報を見つけ出すことです。
コンピュータの進化により様々なデータが集積できる社会になりましたが、そのデータをコンピュータに取り入れる最初のスイッチは、人間が入れます。自動的にコンピュータに入るデータも多い中で、まだまだアナログのデータ入力もたくさんあります。
このデータに人間の恣意的操作が入ると最終的にアウトプットされる情報が間違ったものになってしまいます。
今回のデータ改ざんの概要
今回のデータ改ざんは、国家予算を決める基幹統計という重要なデータを長年国土交通省の内部で隠ぺいしていたということです。
国土交通省だけでなく、かつて厚生労働省も同様に統計数字の改ざんをしていた事件がありました。国家機関の中枢にいる統計の専門家の人たちであり、統計の重要さを一番知っている人のはずです。
統計事務は、どちらかというと地味な仕事ですが、その重要性はデジタル社会の土台となる仕事です。
今回の事件でも担当者が上司に間違えの書き換えを報告するか相談した際に「報告しなくてよい」と言われてそのまま続けていたことが明らかになっています。
どこの社会にもよくある「事なかれ主義」の現われですね。特に、行政や大企業ではこの「主義」が未だにはびこっているようです。
なぜ起こったのか?
間違えを指摘しないのは「責任追及を回避したい」といった仲間意識があったと考えられます。
慢性的に業務が過剰な状態にあったり、一部の職員に業務が集中するという状況が生じていた時に起こりやすいとも指摘されています。
デジタル化による働き方改革でこのような事件を起こさないようにするのも立派なDXだと思います。
皆さんの会社はいかがですか?
<<筆者のご紹介>>
IST経営コンサルティング
石井 洋之
静岡県BCPコンサルティング協同組合 理事
静岡県立大学客員共同研究員・静岡大学講師
中小企業診断士
博士(学術)
「世界中のコミュニケーションをクラウドで最適に」することをミッションとして掲げ、2000社以上の法人向けのデジタルコミュニケーションとデジタルマーケティング領域のクラウドサービスの開発提供を行う防災先進県静岡の企業。1977年創業後、インターネット黎明期の1998年にドメイン取得し中堅大手企業向けにインターネットビジネスを拡大。”人と人とのコミュニケーションをデザインする”ためのテクノロジーを通じて、安心安全で快適な『心地良い』ソリューションを提供している。
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- デジタルマーケティング支援
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