テレワークでBCP対策 メリットや導入時の注意点を解説
2021/10/28.
場所にしばられない働き方であるテレワークは、もともと働き方改革や地方創生といった観点で注目をされてきましたが、災害時の事業継続にもたいへん役立ちます。
昨今では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い大きく普及しました。
本記事では、BCP対策としてのテレワークのメリットや、テレワーク導入時の注意点について解説します。
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BCP対策としてのテレワークが有効な理由
テレワークの「テレ(tele)」は「遠く離れた」という意味をもちます。
つまりテレワークとは、ICTツールを活用し、オフィスに出社せず離れた場所で滞りなく業務を行う働き方を指しているわけです。
テレワークの形態としては、大きく分けて、在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務があります。
少子高齢化による労働者人口の減少や災害の激甚化、感染症の流行など、社会の働き方が大きく変わる中、テレワークの導入は、企業や労働者への、様々な好影響が見込まれています。特に事業継続の観点からは、次の導入効果が期待できます。
感染症対策になる
新型コロナウイルス感染症の流行に代表される感染拡大による出社困難は、事業継続に重大な影響を与える可能性があります。
特に感染流行が長期化した場合は、一時的な出社停止では対応しきれず、何らかの対策を取らなければ業務の維持ができなくなる恐れがあります。
テレワークを導入していれば、外出できない状況下でも勤務が可能です。通勤経路やオフィスにおける、人との直接の接触を最小限に抑えながら、出社している状態と遜色のない業務を維持できるのです。
自然災害発生時でも業務が続けられる
テレワークは、大規模災害時の業務継続にも有効です。
ICTツールやネットワークを駆使し、どんな場所でも仕事ができるようになっていれば、被災地から離れた場所で代替機能を確保し、業務を移管する初動対応もすばやく行うことができます。
従業員も、交通機関が停止する中、被災して危険な道路を移動する必要なく、情報収集や初動対応を安全な場所から行うことができます。
なおテレワーク中でも、緊急事態が起こらないわけではありません。自宅で大地震に見舞われる可能性もあります。
そのため、企業はテレワークを導入していても安否確認手段を用意する必要があります。
当社の安否確認システム「安否コール」は東日本大震災でも安定的に稼働した実績をもち多くの企業からお選びいただいています。
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平時から実施可能
災害などの非常事態は突然発生し、待ったなしでの対応に迫られます。
非常時のため特別の体制やシステムを計画していても、結局のところ、普段から使いなれているものしか使えなかったという教訓もよくいわれているところです。
テレワークは、普段の業務効率化の一環で取り組めるものであり、導入しやすいところから徐々に浸透させていくことができます。
このため、緊急時にも普段の操作の延長で対処することができ、円滑な情報連絡を行うツールとして可能なのです。
BCP対策以外のテレワークのメリット
テレワークは、BCP対策以外の通常業務においてもメリットがあります。
導入時に行う業務の整理により、さまざまな手順の効率化を図ることができます。
また、場所を選ばない柔軟な働き方は、業務に携わる人の多様性を受けとめ、ひとりひとりの能力を活かす基盤ともなります。
業務の効率化
テレワークを導入は、それまで習慣化していた業務手順などの見直しを進める良い機会にもなります。
例えば食品メーカーのカルビーでは、感染症対策をきっかけにテレワークを導入した結果、勤務時間の削減、WEB会議システムによる新しいコミュニケーションの浸透、電子捺印や名刺の電子管理化などによって業務効率が向上しました。
感染対策と無関係に、テレワークを無期限に続けることを公表しています。
さらに、テレワークによる勤務で支障がないと認めた場合、単身赴任も解除するなどの取り組みも進んでいます。
東日本大震災の発生時の例もあります。
日本マイクロソフトでは、発災の翌週3日間を社長命令で在宅勤務とし、顧客対応もテレワークにて対応。
この経験を踏まえ、万一の際の業務遂行のため、テレワークを社内に浸透させました。
その結果、1人あたりの生産性が26%向上した上、残業時間が5%、旅費交通費が20%削減するなど、大幅な業務効率化を図ることができたのです。
柔軟な働き方が可能に
勤務時間の削減や、各自のペースに合わせた時間帯での業務など、育児や介護といったさまざまなライフステージにある従業員が多様な働き方で業務を続けられるのも、テレワークの大きなメリットです。
テレワークは、健康で満足度の高いライフスタイルの実現に大きく貢献する働き方といえるでしょう。
あるソフトウェア企業では、東日本大震災の発生後2~3日のうちに全社員が在宅勤務できる環境を整え、その後も試行錯誤しながら環境のブラッシュアップを行いました。
今回ご紹介した事例のように、大震災のあとでもスムーズに社内が働く環境を整備するには、安否システムが欠かせません。
なお、当社の安否確認システム「安否コール」は、東日本大震災や熊本地震でも問題なく稼働した実績を持ちます。
パソコンだけではなく、スマートフォンからも利用可能のため緊急時でも速やかに従業員の安否状況を確認できます。
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現在では、震災時より社員が2倍以上に増え、働き方のスタイルは在宅勤務やモバイルワークなどのテレワークが定着しています。
2020年度は、新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴う外出抑制の対策として、首都圏を中心にテレワークが急激に広がりました。
事前準備のできない中、急遽導入した企業も多く、業務の管理やコミュニケーション上の課題が明らかになってきています。
2021年度になると、ICTツールの導入や活用方法など、生産性を確保した業務システムの工夫にも磨きがかかりました。
テレワーク導入を支持する声はとくに労働者側から大きく、効率的・効果的にテレワークを導入している企業は、優秀な人材確保の面からも有利となっています。
テレワーク導入時の注意点
導入すればメリットの大きいテレワークですが、効果を発揮するためには、環境整備など、いくつかのポイントに注意しておく必要があります。
在宅勤務環境の整備
テレワークには、自宅や外出先でも円滑に通信ができる機器やインターネット環境を用意することが必須となります。
遠隔で業務や情報のやりとりができるシステムを会社側で構築するのは無論のことですが、そのシステムにアクセスして業務を遂行するための従業員側の環境整備が欠かせません。
特に、従業員が持ち歩くPCやタブレットなどの端末機器、通信回線、wifiなどの無線環境の整備にかかる費用や、従業員が利用する通信費・光熱費などの維持費について、企業側がどこまで負担するのかなどを就業規則などで明確にしていくことが求められます。
セキュリティ対策
各自の回線から接続することになるため、サイバー攻撃やウイルス感染などに備えたセキュリティ対策は厳重に行う必要があります。
また、自宅での作業という気の緩みから情報漏えいの可能性も高まることには、人的な運用面での注意が必要です。
システムによる一括したセキュリティ対策を進めつつ、従業員一人ひとりが情報管理の重要性を意識して業務に携わるよう、教育面でのサポートもていねいに行いましょう。
社員のモチベーション管理
ICTの習熟度の違いによる上司・部下・同僚とのコミュニケーションのすれ違い、従事する業務内容の差によるテレワークの度合いの違いなどから、業務の進捗が把握できずパフォーマンスが低下する恐れがあります。
ただし、常に状況を把握してさえいれば業務管理ができるわけでないのは、テレワークに限らず、オフィスに集合して働く場合でも同じことです。
ツールに応じたきめこまかなコミュニケーションが必要というわけです。
WEB会議システムやチャット、メールなどそれぞれのツールの特性を活かし、相手に応じたコミュニケーションをとって信頼関係を築くことで、チーム力を強化していきましょう。
また、通勤がなくなることによる運動不足の問題や、仕事とプライベートが同じ空間であることからのメリハリのつきにくさなども、テレワークならではの課題として指摘されています。
社内SNSや健康管理アプリなどを活用し、日常生活にメリハリをつけて業務効率を上げていく工夫も必要です。
BCPにおけるテレワークまとめ
テレワークは、その特徴を活かして日常業務の効率化を図ることにより、結果的に非常事態になったときでも業務を維持するBCPの強力なツールとなります。
その一方で、テレワークを導入していても不測の事態が起こらないわけではありません。
非常時の安否確認手段を用意することは不可欠といえるでしょう。
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「世界中のコミュニケーションをクラウドで最適に」することをミッションとして掲げ、2000社以上の法人向けのデジタルコミュニケーションとデジタルマーケティング領域のクラウドサービスの開発提供を行う防災先進県静岡の企業。1977年創業後、インターネット黎明期の1998年にドメイン取得し中堅大手企業向けにインターネットビジネスを拡大。”人と人とのコミュニケーションをデザインする”ためのテクノロジーを通じて、安心安全で快適な『心地良い』ソリューションを提供している。
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