【安否確認システムを比較】Safetylink24と安否コール
2021/09/02.
災害時の事業継続を支える安否確認システムには、インフラなどの環境が悪化した中でも確実に稼働し、連絡や情報共有を的確に行える機能が必要です。
数ある安否確認システムの中から、自社の災害対応に最適な機能をもったものを選びましょう。
本記事では、株式会社イーネットソリューションズの「Safetylink24」と、アドテクニカの「安否コール」を比較。それぞれの機能と、安否確認システムを導入する際に注意すべきポイントを解説します。
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Safetylink24の特徴
安否確認システム「Safetylink24」は、データセンターの運営やAIなどデータ解析プラットフォームサービスを展開する株式会社イーネットソリューションズが提供するクラウドサービスのひとつです。
システムの開発からデータセンターやサーバの管理まで一体的に運用でき、緊急時の着実な情報連携体制の構築が可能です。2007年の能登半島地震、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震など、これまでに発生した大規模地震の際にも問題なく稼働しました。
Safetylink24のメリット
Safetylink24の特長としては、利便性の高いアプリなど、突然やってくる災害に対してすばやく動くために必要な機能がひととおり揃っていることが挙げられます。以下より、主な機能をみていきましょう。
利便性の高いスマホアプリの利用も可能
画像出典:スマートフォンアプリ│Safetylink24公式
Safetylink24は地震速報と連動し、地震の発生を察知すると、あらかじめ設定したメッセージを自動で配信します。
連動させる情報には、地震発生時刻・震度・地震の発生した都道府県情報が含まれます。
スマートフォンのアプリを利用すれば、時間・場所を問わずにプッシュ通知で情報を受け取ることが可能。安否確認に回答するときにもスマートフォンのGPSを利用し、今いる位置情報を伝えることができます。
また、スマートフォンで撮影した画像を被災状況として送ったり、録音した音声をメッセージに添付したりすることもできます。
安否確認に必要な機能が充実している
画像出典:機能│Safetylink24公式
安否確認システムは、災害発生直後の初動体制を確立し、社内外の被害状況や災害対応状況を集約して適切な判断を行うために不可欠なものです。
Safetylink24では次の機能を標準装備し、情報管理やシステム管理の堅牢性を確保しています。
・スマートフォンやタブレットなどさまざまな端末から送信できること
・個人情報の漏洩やデータ攻撃などからシステムを守るセキュリティが強固であること
・24時間365時間安定して稼働すること
・利用できる通信キャリア(docomo、au、Softbank、Y!mobile)に制限がないこと
・災害時の通信の輻輳を考慮し、混雑する前にすばやくメール配信ができること
・確実に連絡がとれるよう、複数のアドレスを設定し返答があるまで確認すること
複数の連絡先を登録し着実に情報伝達
画像出典:特長│Safetylink24公式
Safetylink24では、ユーザーひとりにつき最大6つのメールアドレスを登録することができます。
複数の連絡手段が確保できるため、特定の通信ルートが被災して停止したり輻輳で遅延したりする場合でも、着実な情報の伝達を目指せます。
加えてユーザーのグループ管理も可能です。
複数のグループにまたがって登録することもでき、災害対応の内容を知らせる、部署ごとに異なるメッセージを一斉送信するなど、災害時の状況にあわせた柔軟な情報連絡体制の構築が図れます。
家族の登録は1ユーザーあたり6名まで、家族1人あたりのメールアドレスは最大3つまで登録が可能。
突然の災害で離れ離れになった場合でも違いの状況を確認しつつ対応にあたることができます。
家族間のやりとりは家族だけで共有するため、プライバシーも守られます。
Safetylink24のデメリット
安否確認に必要な機能一式を一律に提供するため、Safetylink24には、人数に応じて段階的に設定された料金設定しかありません。最低の単位は100名までの月額9,800円。
契約期間は最短で1年間となっており、安否確認システムを一度も導入したことのない企業の場合などは少しハードルが高いかもしれません。
有料オプションは、英語対応の追加と後述する導入支援の2種類のみ。システムの機能を自社の運用にあわせてカスタマイズすることはできません。高機能である反面、ユーザーが各自で使用を理解するのは困難です。
災害時の確実な運用を可能にするためには、講師1名につき受講者5名、1時間の研修で使い方をレクチャーする有料オプションの「導入支援サービス」を受ける必要があります。
・導入支援サービス 80,000円
・時間延長 12,000円
・アシスタント追加 50,000円
・個別資料作成 20,000円~
研修時の管理者用マニュアルやユーザー用のマニュアルも別途有料オプションとなっています(それぞれ15,000円/10,000円)。
また災害情報の入手にあたって選択できるエリアの自由度が低いデメリットも。エリア選択は「全国」か「都道府県3つまで」のため、情報の過不足が起こる可能性があります。
Safetylink24と比較した安否コールの強み・弱み
ここからは、Safetylink24と、アドテクニカの「安否コール」を比較し、安否確認機能にどのような違いがあるのかをみていきましょう。
安否コールの強み
安否コールは、受賞経験もあるデザイン性と高い操作性に加え、IDもパスワードも必要がない安心の登録機能、自社の運用に合わせてカスタマイズできる料金プランの多様などが特長のシステムです。
気象庁の情報と連動した自動配信や、アプリによる通知、自動集計、家族の安否確認機能も標準装備されています。災害情報のエリア選択は該当する188のエリアから設定可能で、必要な情報だけを入手可能です。
またアンケート機能や掲示板機能など、災害時以外にも利用できる機能も充実。普段から使って操作に慣れておくことができます。
使い勝手のいいUX
安否コールは、総務省などの後援を受けた「ASPIC IoT・AI・クラウドアワード2019」の「ASP・SaaS部門 社会業界特化系分野」においてグランプリを受賞。
直感的な操作で快適な使い勝手が評価され、グッドデザイン2020も受賞しています。 特に管理者専用アプリは「使い勝手がよい」と高く評価されています。
事前研修を受けて複雑な仕様を覚えたり、マニュアルを読み込んだりしなくても直感的に操作できるUXデザインです。
複雑な操作や紛らわしい設定は誤操作のもと。待ったなしの状況把握と対応が求められる非常時においてはなおさらです。
デザイン性の高さは見た目の問題ではなく、災害時の連絡や情報共有を着実に行うために必要な機能です。
安否コールは、防災先進県である静岡県の大手ユーザーから要望を受けたことで開発をスタート。その後、東日本大震災をはじめとする大規模災害での稼働実績を経て改良を重ねてきました。
現場での経験をUXに落とし込むことで、使い勝手の良いデザインを実現しています。
登録・利用にID・パスワードが不要
災害時の混乱した状況下において、ID・パスワード管理の煩雑さは、安否確認の回答率を下げる要因になります。
「迷惑メールフィルタにかかってしまった」「突然のことでIDやパスワードが思い出せない」など、操作上のトラブルが起きると管理窓口に問い合わせが殺到し、身動きがとれなくなるケースもあります。
安否コールは、金融機関が採用する端末認証の技術を用いて、登録時にID・パスワードを省略できる機能を実装。
登録時に個別の端末とサーバを紐付けることにより、登録後のアクセス時には同じ端末からはログイン不要で操作ができるのです。
各従業員は各自でQRコードを読み取り、画面の質問に従って入力するだけで手軽に登録することが可能。管理窓口への相談も減り、サポート面での対応の負担軽減に繋がります。
自社にぴったりのカスタマイズが可能
安否コールは、あらゆる規模や業態の組織が災害時の初動対応をすばやく行えるよう、細かな要望に応じたモデルプランを用意しています。
対象 |
プラン名 |
月額費用 |
初期設定費用 |
小規模企業向け (~50名) |
ミニマム |
¥5,000~ |
¥80,000 |
ミニマム+ |
¥8,000~ |
||
中規模企業向け (100名~) |
スタート |
¥15,000~ |
¥105,000 |
ノーマル |
¥18,000~ |
||
ビジネス |
¥21,500~ |
||
大規模企業向け (システム連携) |
プロ |
¥30,000~ |
|
エキスパート |
¥40,000~ |
また、無料のお試し期間は、Safetylink24が2週間なのに対し、安否コールは1カ月あり、じっくり検証して機能を検討する時間があります。
安否コールの弱み
株式会社イーネットソリューションズは、WEBシステムの開発からサーバ構築、データ管理まで一体的に運用するソリューション提供を行っています。
このため、すでに他のサービスを利用しているなど総合的なマネジメントを望む場合などは、グループ内のシステムのほうが安心感を得やすいかもしれません。
これに対し、安否コールの機能は、災害時の連絡や情報共有を効果的にするために特化しています。
こまかなカスタマイズで既存のシステムとの連携を図ることもでき、個別の状況に応じた機能を選定したい場合や、着実に運用できるシステムを構築したい場合に向いています。
運用コストについては大規模な人数の場合、初期設定費用も月額運用費用もSafetylink24のほうが安価になりますが、サポート費用を考えると安易に低料金とは言い切れません。
小規模の運用の場合や機能を個別に見直したい場合などは、多彩な料金設定のある安否コールのほうがコストパフォーマンスに優れています。
Safetylink24と安否コールはこんな企業におすすめ
Safetylink24と「安否コール」では、それぞれに特長があります。自社の災害対応に必要なのはどの機能かをよく検討し、適切に選びましょう。
Safetylink24はこんな企業におすすめ
Safetylink24は、次のような要望をもつ企業におすすめといえます。
・大規模な運用で導入時のコストを抑えたい
・他のシステム開発やデータ解析などのソリューションも含めて検討したい
・GPS機能を標準で装備したい
安否コールはこんな企業におすすめ
安否コールは次のような要望をもつ企業におすすめといえます。
・小・中規模でも導入しやすい機能と価格のバランスがよいシステムがほしい
・使いやすくカスタマイズし、普段からデザイン性の優れたものを使っておきたい
・IDやパスワードの管理での負担やトラブルをできるだけ軽減したい
Safetylink24と安否コールの比較まとめ
通信環境が不十分な中でも情報共有できることは、災害時に事業継続する上で非常に重要です。
平時から稼働するシステムと連携することも、いざというときには独立した運用ができることも、安否確認システムを選ぶ際には欠かせない視点。
無料で機能を試せるお試し期間を活用し、実際に使い勝手を検証しながら比較してみてください。
「世界中のコミュニケーションをクラウドで最適に」することをミッションとして掲げ、2000社以上の法人向けのデジタルコミュニケーションとデジタルマーケティング領域のクラウドサービスの開発提供を行う防災先進県静岡の企業。1977年創業後、インターネット黎明期の1998年にドメイン取得し中堅大手企業向けにインターネットビジネスを拡大。”人と人とのコミュニケーションをデザインする”ためのテクノロジーを通じて、安心安全で快適な『心地良い』ソリューションを提供している。
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