【安否確認システムを比較】安否確認サービス2(トヨクモ)と安否コール
2021/06/08.
安否確認システムは非常時の重大な場面で利用するシステムです。災害が発生した中でも確実に機能し、的確に操作ができるシステムかをチェックし、自社に最適なサービスを選びましょう。
本記事では、トヨクモが提供する「安否確認サービス2」と「安否コール」の機能の特徴を比較しながら、企業が導入する際に気をつけたいポイントについて解説します。
画像出典:安否確認サービス2│トヨクモ
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安否確認サービス2(トヨクモ)の特徴
トヨクモの「安否確認サービス2」は、東日本大震災から5年後の2016年にサービスを開始した比較的新しい安否確認システムです。
過去の大規模災害で判明した安否確認運用の教訓を踏まえ、災害発生直後の安否確認と災害対応に必要な連絡ツールに機能を特化させているのが特徴です。
特に配信機能については、気象庁の誤報によるメールの誤送信を防いだり、災害発生直後に起きやすい通信量の負荷を軽減するためのサーバーの自動拡張など、稼働の安定を高めるための工夫がなされています。
メールの自動配信、回答情報の自動集計、掲示板を使った情報共有、家族の安否確認の機能に絞っているため、わかりやすいプラン展開です。
また、初期費用やオプション費用がかからず、導入しやすい価格設定になっています。
安否確認サービス2のメリット
トヨクモの「安否確認サービス2」の特長としては、地震発生を感知した際にサーバーを自動的に拡張して配信能力を維持する機能、気象庁が誤報を発した際に誤配信を防止する機能、頻度の高いバージョンアップが挙げられます。
地震を検知してサーバーを自動拡張する
画像出典:安否確認サービス2│トヨクモ
「安否確認サービス2」は、データサーバーを国際分散させたクラウド上にシステムを構築しています。
クラウドサーバは、アクセスが急激に増えて負荷がかかる場合にサーバーの拡張が柔軟にできるのが利点です。
地震の発生を感知すると、自動的にサーバーの拡張が行われるしくみになっており、発生直後に集中する安否確認の通信も、アクセスの負荷によるシステム障害を気にする必要がありません。
また、クラウドサーバーを採用した拡張の柔軟性は、災害が発生しない間の使用量を最小限にできるというメリットにもつながります。
初期費用がいらず、平常時の運用を低価格に抑えられることから、導入しやすいシステムとなっています。
気象庁の誤報でメールが配信されるのを防ぐ
画像出典:誤報判定機能を備えた、気象庁の情報に連動した自動送信│安否確認サービス2
気象庁が発表する気象情報は、少しでも早く避難や災害対応にかかってもらうために発表するものであるため、少しでも疑わしいときは発表されます。
また、緊急地震速報は、センサーの状態により実際の震度と異なる通知が出ることが3割近いといわれています。
特に大きな地震の後に続く余震では、こうした誤報が起こりやすいのです。
災害対応は「空振りを恐れない」方針で臨まなければなりませんが、それでも誤報が続きすぎると行動が鈍ってしまうかもしれません。
「安否確認サービス2」では、緊急地震速報が発表された直後にメール送信はせず、サーバーの拡張などの準備を行いながら約10分の時間をおきます。
その後気象庁の情報をもう一度確認してメール送信するしくみを自動化しているため、誤報による送信ミスを防ぐことができています。
利用者の声を吸い上げバージョンアップを重ねている
画像出典:安否確認サービス2│トヨクモ
「安否確認サービス2」では、安否確認の通知が確実に届くよう、毎分100万通以上のメールを配信できるシステムを利用しており、安定した一斉送信を行うことができます。
また、パケット通信のみで回答できるWEB回答方式を採用しているため、大規模災害時の通信規制下でも比較的つながりやすくなっています。
災害時の通信トラフィックは発災後30分から1時間後あたりがピークといわれており、メール配信はそれまでの時間に完了できるシステムを整備しています。
さらに、機能の拡充を図るため、平均して週に1回以上システムを更新し、その都度、稼働の安定性の確保や機能の追加などのバージョンアップを行っています。
利用時に不具合が生じた場合でも短期間で修正されるため、いつ起きるかわからない災害時にも安心です。
安否確認サービス2のデメリット
安否確認システムの運用では、管理者が「いかに早く送信して結果を集計するか」の操作とともに、エンドユーザーが「いかに早く連絡に気づき、確実に回答を送信するか」の操作も重要になってきます。
使い勝手がわからないと、結局いつもの慣れた連絡ツールに頼ってしまい、安否確認の集計ができなかったという事態も起きてしまいます。
このため、システムを導入する際には、管理者の負担を減らす設置のサポートや、ユーザーに対するていねいなレクチャーが欠かせません。
「安否確認サービス2」の場合、初期費用が不要となっていて導入コストは低く抑えられるのですが、レクチャーなどのサポートはオプションとなり、別費用がかかります。
効果的な導入を図ろうとすると初期費用がかかる他のシステムとあまり変わらないコストとなるため注意が必要です。
安否確認サービス2と比較した安否コールの強み・弱み
ここからは、「安否確認サービス2」と「安否コール」を比べることで、安否確認機能にどのような違いがあるのかをみていきましょう。
安否コールの強み
「安否コール」は、部署内・同僚の安否状況の情報共有、東日本大震災でも問題なく稼働した実績、日常の業務でも活用できる無駄のない機能といった特長をもつシステムです。
部署内・同僚の安否状況を確認できる
安否確認は迅速な初動体制の確保を目的に行うものです。
「安否コール」では、できるだけ早く安否情報を集約するため、ID・パスワードが不要のしくみを採用したり、選択するだけで回答できる直感的なデザインを開発したりと改良を重ねています。
2020年にはグッドデザイン賞を受賞しました。
もうひとつ、迅速な状況把握と対応判断に欠かせないのは、従業員同士の連携です。
このため、同じ部署の従業員や同僚の状態を把握できる機能はとても重要になります。
「安否確認サービス2」にはない「安否コール」の機能に、同僚の安否照会があります。
従業員が任意のタイミングで自ら確認をとることができるため、いちいち管理者に問い合わせることなく、迅速な対応ができ、管理者の負担も軽減されます。
どこまでの情報を照会できるかは設定により閲覧範囲を制限できるため、個人情報の保護の観点からも安心して活用できます。
大規模地震での稼働実績
画像出典:安否確認システムの条件│安否コール
「安否確認サービス2」は、東日本大震災以降の2016年にリリースされたシステムです。
このため、理論上は性能が保証されていても、今後巨大災害が発生したときに実際に稼働できるかは未知数ともいえます。
「安否コール」は、2010年にサービスを開始し、東日本大震災でも問題なく稼働した実績があり、実災害での運用経験をシステム改良に活かしています。
サーバーは、海外のリージョンをメインに国内は4拠点に分散した形で構築し、リスク回避を図っています。
サーバー建屋の免震・耐震対策は無論、無停電電源装置や自家発電施設による電源の確保のほか、万が一の被災への対策として、バックアップやリージョン内のサーバーの分散稼働、外部ネットワーク対策、暗号化通信対策など、安定稼働に向けて万全の体制を敷き、企業の事業継続を支えます。
平時にも活用できる
画像出典:日常活用例│安否コール
企業にとって重要なのは、安否の確認行為そのものではなく、迅速な災害対応を行うための初動体制の確保です。
災害が発生した時点で従業員がどこにいてどのような状態にあるのかを把握し、遠隔からでも全体で情報を共有し、着実に指示や連絡調整を行える機能が必要となります。
「安否コール」では、災害発生時の緊急事態でも確実に情報共有できるよう、安否確認の一斉送信だけでなく、掲示板機能や家族の安否確認、アンケート機能など、多様な情報連絡手段を搭載しています。
GPS位置情報を取得する機能もオプションできるため、人命にかかわるような緊急事態になったときでも位置情報付きですばやく情報を送ることが可能です。
多機能な情報共有システムは、ふだんの業務で連絡をとりあうリモートワークなどでも活躍します。
災害時には、いつもの慣れた行動以外の特別なことは結局できなかったという話もよく聞かれます。
日常的に使い続けて操作に慣れておくことで、いざというときにも操作が早くなり、BCPの実効性も高められるのです。
安否コールの弱み
「安否コール」は、気象庁の気象情報を自動的に受信して一斉送信します。
このため、気象庁の情報が誤報だった場合もそのまま配信することになります。
「空振りを恐れない」で災害発生の構えをつくる機会と考え、受信時の対応が鈍らないように注意しておく必要があるでしょう。
また、「安否コール」のサーバーも海外リージョンを含めた複数拠点で管理するクラウドシステムですが、災害を検知した際の自動拡張は行っていません。
拡張を行うまでの時間差をつくらずに少しでも早く安否確認や連絡調整を始められるよう、巨大災害時にも稼働できるサーバー構築を常時構築し、ネットワークの冗長化や多重化など、安定した稼働を図っています。
安否確認サービス2と安否コールはこんな企業におすすめ
トヨクモの「安否確認サービス2」と「安否コール」では、それぞれ得意とする機能が異なります。自社にとって必要なのはどの機能かをよく検討し、適切に選びましょう。
安否確認サービス2はこんな企業におすすめ
トヨクモの「安否確認サービス2」は、次のような要望をもつ企業におすすめといえます。
・災害時のみの運用で、安否確認と簡単な連絡用として利用できればよい
・導入や運用の作業は自社でできるため、導入時の初期費用や運用コストを抑えたい
・気象庁の緊急地震速報は確実なときだけ受け取りたい
安否コールはこんな企業におすすめ
「安否コール」は、次のような要望をもつ企業におすすめといえます。
・ログイン時のトラブルなどをできるだけ少なくし、情報共有する手段を多くしたい
・管理画面も携帯端末の画面も操作しやすいデザインがよい
・ふだんの業務でも多様な機能を活用し、いざというときの事業継続の実効性を高めたい
・実際の大規模災害で問題なく稼働した実績のあるシステムがよい
安否確認サービス2と安否コールの比較まとめ
安否確認システムは送信後の稼働のほうがむしろ重要です。
災害が起きた混乱の中でも確実にすばやく情報を集め、的確な初動対応を行うため、情報を活かすツールとして利用しましょう。
安否確認サービスの比較をする際は、それぞれの安否確認機能の使い勝手だけでなく、その後の災害対応に集約した情報をどう共有して連絡を取り合うかなど、安否確認後の対応に有効な機能も意識しながらチェックすることをおすすめします。
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