【安否確認システムを比較】緊急連絡・安否確認システム(NEC)と安否コール
2021/06/08.
安否確認システムは非常時の重大な場面で利用するシステムです。災害が発生した中でも確実に機能し、的確に操作ができるシステムかをチェックし、自社に最適なサービスを選びましょう。
本記事では、NECの「緊急連絡・安否確認システム」と「安否コール」の機能の特徴を比較しながら、企業が導入する際に気をつけたいポイントについて解説します。
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緊急連絡・安否確認システム(NEC)の特徴
画像出典:緊急連絡・安否確認システム│NEC
「緊急連絡・安否確認システム」は、ICTの総合ソリューションを提供するNECが運営する安否確認システムです。
管理者が任意でPCやスマートフォン、携帯電話から安否確認のメールを送ることができます。
オプションとして、気象庁の地震情報(確定版)を自動取得し、登録メールへ自動配信する機能も備えます。
メールのほかスマートフォンアプリも備え、メールアドレスを登録しない利用者へも配信や応答が可能です。
また、被災した社員の支援を目的としたアンケート機能もあり、社員からの要望などを集約することができます。
登録データのオプションサービスとして、定期・不定期の人事異動情報をシステム間で自動連携する機能も備えており、メンテナンスの手間を削減します。
緊急連絡・安否確認システムのメリット
NECの「緊急連絡・安否確認システム」の特長としては、他システムとの連携、シンプルな機能、わかりやすい料金体系が挙げられます。
他システムとの連携でメンテナンスの負担を軽減
「緊急連絡・安否確認システム」は、「マスターデータ連携オプションサービス」として、人事情報や組織情報をもつシステムとデータを連携させることができます。
定期的に行われる人事異動のほか、不定期に発生する事業体制の変更に伴う異動もシステム間で自動連携します。
管理者によるメンテナンスが大幅にカットできるうえ、個人情報の管理対策も軽減されます。
災害はいつ発生するかわかりません。
グループ企業をもつ大規模な組織の場合、企業間の異動も頻繁に発生し、管理が膨大になります。
メンテナンスが間に合わないうちに災害が起きてしまい混乱することも少なくありません。
自動連携の機能は心強い味方となるでしょう。
シンプルながら必要な機能はすべて揃う
「緊急連絡・安否確認システム」は、東日本大震災における被災経験を教訓に設計されたシステムです。
災害発生時で混乱している非常時はシンプルな機能が使いやすいと、安否確認に絞り込んだシステムとなっています。
オプションサービスではあるものの、気象庁の情報と連動した自動配信機能も備え、管理者の設定による一斉送信、被災した社員の要望を集約するアンケート機能など、災害発生時の初動に必要な機能がひととおり揃っています。
また、操作性もシンプルになっており、少ないステップや選択肢による送信、スマートフォンアプリによる回答など、エンドユーザーの利便に配慮しています。
異動や入社したばかりの従業員でもすぐに利用できる簡易さです。
料金体系がわかりやすい
緊急連絡・安否確認システムは、料金体系もシンプルです。
機能別のプラン分けはなく、利用人数100人以下12,000円から、利用人数が100人増えるごとに2,000円追加される(1000名以上の場合100ユーザごとに2,000円の追加あり)というわかりやすい料金設定です。
また、初期費用は無料のため、導入時の負担も軽減できます。
利用人数 | 月額費用 |
100人以下 | ¥12,000 |
200人以下 | ¥14,000 |
300人以下 | ¥16,000 |
400人以下 | ¥18,000 |
500人以下 | ¥20,000 |
1000人以下 | ¥30,000 |
緊急連絡・安否確認システムのデメリット
「緊急連絡・安否確認システム」は、安否確認を行うことに特化し、最低限の機能が導入されています。
気象庁の情報と連動して自動配信させる機能はオプション扱いです。
災害が発生した直後は担当者も被災するなど混乱している可能性があるため、突然発生する地震・津波の情報については自動的に一斉配信される機能をつけておくことをおすすめします。
また、アプリも導入されているものの補助的な使い勝手のため、メールを主体とする配信となっています。
連絡手段が限定されているうえにテキスト入力する手間も大きく、回答率が下がってしまうおそれがあります。
さらに、回答がなかった場合、単に返信が遅れているだけなのか、迷惑メールフィルタにかかって届いていないのか、IDやパスワードがわからずログインできていないのか、被災して返信どころでないのかの把握も難しいでしょう。
災害時は何が被災するかわかりませんから、多様な手段で連絡を取り合う機能をもたないと、事業継続の実効性を高めることができません。
緊急連絡・安否確認システムと比較した安否コールの強み・弱み
ここからは、「緊急連絡・安否確認システム」と「安否コール」を比べることで、安否確認機能にどのような違いがあるのかをみていきましょう。
安否コールの強み
「安否コール」は、位置情報も含めた情報共有、家族の安否確認、ID・パスワード不要で確実な利用といった特長をもつシステムです。
GPS機能で自動的に位置情報を取得
画像出典:料金・機能│安否コール
「安否コール」は、GPS機能をオプションで搭載し、各自の位置情報を送信しあう機能があります。
命に関わるような状況になり、緊急で助けを呼ぶ場合でも、位置情報付きですばやく情報を送ることが可能です。
管理側でも、要請に応じた救助や物資の配置を地図上でシミュレーションできるため、距離やルートの判断などを効率よく検討できます。
災害のフェーズが進んで状況が変化したときでも、誰が、どこにいて、どのような対応をしているかをひと目で把握できるため、判断や指示のスピードが上がります。
家族の安否まで確認できる
画像出典:料金・機能│安否コール
「安否コール」には「家族安否確認機能」があり、従業員が家族の安否まで確認できるようになっています。
家族は7名まで登録でき、同居していない身内の把握も可能です。
登録者しか閲覧できないため、日頃から安心して連絡手段として活用できます。
メッセージの共有のほか、GPSオプションを搭載していれば、家族の安否確認機能と位置情報を連動させて活用することもできます。
家族のなかには高齢者や子どももいるため、メールアドレスがなくても登録できるアプリや操作がシンプルで簡単なものとなるよう、操作デザインも工夫しています。
災害対応中の従業員にとって、家族がどういった状況かは非常に気がかりでしょう。家族が無事かどうか、どこにいるかをリアルタイムで把握することで、安心して業務に集中できます。
イベント・ミーティングなど普段から使用できる
画像出典:日常活用例│安否コール
安否確認は迅速な初動体制を確保するために行うものです。
このため、管理者側の操作性だけでなく、従業員が持っているさまざまな端末でも簡単に操作できるツールにしておく必要があります。
「安否コール」は、災害発生時の緊急事態でも着実に指示や連絡調整ができるよう、気象庁の災害情報と連動した自動メール配信は標準機能としています。
また、操作性のよいアプリ通知、掲示板、アンケートなど、さまざまな機能を搭載しています。
これらの機能は、リモートワークでの連絡やミーティング、イベントでのニーズ調査など、普段の業務でも活用できます。
日常的に使い続けて操作に慣れておけるため、いざというときにも慣れたシステムで連絡をとりあえ、災害対応がスムーズになります。
安否コールの弱み
「安否コール」では、さまざまな規模の企業が初動対応を円滑に行えるよう、規模と使いたい機能に応じてモデルプランを細かく用意しています。
このため、料金体系が複雑にみえるかもしれません。
また、最小構成であれば月額コストは5,000円、初期設定で一度だけかかる費用も80,000円と格安で運用を開始できますが、大規模企業向けにシステム連携するようなカスタマイズを行うと、NECの緊急連絡・安否確認システムと比べて割高感があります。
対象 | プラン名 | 月額費用 | 初期設定費用 |
小規模企業向け (~50名) |
ミニマム | ¥5,000~ | ¥80,000 |
ミニマム+ | ¥8,000~ | ||
中規模企業向け (100名~) |
スタート | ¥15,000~ | ¥105,000 |
ノーマル | ¥18,000~ | ||
ビジネス | ¥21,000~ | ||
大規模企業向け (システム連携) |
プロ | ¥30,000~ | |
エキスパート | ¥40,000~ | ¥155,000 |
緊急連絡・安否確認システムと安否コールはこんな企業におすすめ
「緊急連絡・安否確認システム」と「安否コール」では、それぞれ得意とする機能が異なります。自社にとって必要なのはどの機能かをよく検討し、適切に選びましょう。
緊急連絡・安否確認システムはこんな企業におすすめ
NECの「緊急連絡・安否確認システム」は、次のような要望をもつ企業におすすめといえます。
・社員数が多い大企業でコストを抑えて導入したい
・シンプルに安否確認のみを行うシステムがよい
・ICTソリューション提供元企業の規模やネームバリューの安心感がほしい
・大規模なグループ間の人事異動などが頻繁に起こり、自動的にメンテナンスしたい
安否コールはこんな企業におすすめ
安否コールは、次のような要望をもつ企業におすすめといえます。
・気象庁からの情報と連動した自動配信機能は標準でほしい
・家族の安否確認機能は標準でほしい
・日頃から多機能なシステムを使って操作に慣れておきたい
・画面デザインのすぐれた使いやすいシステムがほしい
・中小規模でも導入できる価格と機能のバランスがよいプランを探している
緊急連絡・安否確認システムと安否コールの比較まとめ
安否確認システムは災害直後に送信できればよいのではありません。
的確な初動対応を行うための情報共有ツールとして考え、安否確認後の災害対応フェーズで柔軟な活用ができる機能性や操作性をチェックするとよいでしょう。
無料で機能を試せる無料トライアルを上手く活用し、実際に操作しながら検討してみてください。
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