【安否確認システムを比較】LINE WORKSと安否コール
2021/04/09.
安否確認システムは非常時の重大な場面で利用するシステムです。
災害が発生した中でも確実に機能し、的確に操作ができるシステムかをチェックし、自社に最適なサービスを選びましょう。
本記事では、「安否確認 for LINE WORKS」の安否確認システムと「安否コール」の特徴を比較しながら、企業が導入する際に気をつけたいポイントについて解説します。
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LINE WORKSの特徴
「安否確認 for LINE WORKS」は、チャットコミュニケーションツールとして普及している「LINE」のビジネス版「LINE WORKS」に追加できる安否確認機能で、株式会社ジェネストリームが提供しています。
LINEで浸透しているやりとりは「トーク」と呼ばれるチャットです。
ビジネス版のLINE WORKSも、日常ではトークを用いたコミュニケーションがとられています。
安否確認 for LINE WORKSは安否確認に特化しており、気象庁から災害情報が発信されると自動的にチャットbotがトークルームを作成し、プッシュ通知で安否の質問を届けるしくみです。
回答状況は、botから管理者へ自動的に通知が届きます。
LINE WORKSが優れている点・機能
LINE WORKSの安否確認システムの特長である、活用のしやすさ、チャットbotによる自動配信、ゲスト機能についてみていきましょう。
普段から使用できるからBCPの実効性を高められる
画像出典:LINE WORKS 公式サイト
LINE WORKSは一般的に普及しているLINEと同じ操作なので扱いやすく、導入したときから違和感なく使いこなせます。
災害発生時はあらゆるものに対して瞬時の判断が必要となるため、とっさの行動をとるときは普段から使いなれているものを使う方が的確に動くことができます。
LINE WORKSは、普段から社内で活用しやすいため、いざというときにいちいち使い方を調べる必要がありませんから、的確な操作が可能。
災害時の情報伝達手段として使いこなせるのは大きな強みといえるでしょう。
災害が発生したらbotが自動的にトークルームを作成
災害が発生すると、気象庁が発信した災害情報をもとに、チャットbotが自動的に質問形式のトークを作り、従業員に通知します。
トークルームも自動で作成され、ID入力などの操作も不要です。
チャットを受信した従業員は、LINE WORKSに届いたトークを開き、順番に質問項目へ回答ボタンをタップしていくだけで、手軽に返信ができます。
トーク形式のため、質問は自由に設定可能。
安否のほか、参集の可否や業務再開の時期など、質問を連続してセットしておくことができます。
回答結果はリアルタイムで確認でき、所属に応じたフォローなどの設定も可能です。
また、LINE WORKSの掲示板機能を利用し、災害発生の状況に応じた行動指針や指示、業務再開の方針などを従業員に周知することもできます。
LINE WORKSを持っていなくても個人LINEで安否確認を受け取れる
LINE WORKSに登録されていない従業員がいる場合も、ゲスト従業員としてメールアドレスを登録すれば安否確認メールを受け取ることができます。
確認漏れが起きないため安心です。
ゲスト従業員は、安否確認bot for LINE WORKSの公式LINEを友だちとして登録すれば、LINE WORKSを導入した従業員と同じようにチャットbotからの安否確認を受け取ることができます。
システム内で回答を一元管理することができ、情報管理がスムーズに行えます。
LINE WORKSのデメリット
安否確認bot for LINE WORKSは、利用金額が1人あたり200円と、従量制で計算します。
例えば、200アカウントを登録した場合、月額利用料は40,000円、500名だと100,000円と、登録人数が多くなるとコストが膨れ上がってしまいます。
さらに、安否確認bot for LINE WORKSは、有料版のLINE WORKS(ライトプラン以上)を利用することが前提となっています。
無料版のLINE WORKSを使いたい場合は、スマート福利厚生への契約が必要です。
安否確認システムの月額費用だけでなく、LINE WORKSの利用料金も含めたコストが必要になることに注意が必要です。
もうひとつ注意したいのは集計結果です。
LINE WORKSの安否確認botはスマートフォンへ情報を送信するため、PCに比べると一度に取得できる情報が限られてしまいます。
botからの通知の回数や頻度は自由に設定でき、プッシュ通知で届くため、リアルタイムで状況を確認するのには向いていますが、集計結果を別の対応に活用するなどの複雑な用途に活用するにはひと手間かける必要が生じます。
なお2021年3月に、LINE利用者の個人情報が中国(システム開発を委託している企業)から閲覧できる状態であったことが分かり、社会問題になりました。
LINE WORKSに関しては「WORKS MOBILE JAPAN」というLINEとは別の会社が運営しているため問題ないと公式にアナウンスされていますが、個人情報・機密事項等をやり取りする予定であれば注意しておいた方が良いかもしれません。
LINE WORKSと比較した安否コールの強み・弱み
ここからは、LINE WORKSの安否確認botと安否コールとを比較しながら、機能の違いをみていきましょう。
「安否コール」は、導入しやすい価格設定、活用しやすい集計表、東日本大震災のときにも安定して稼働した送信システムが特長です。
安否コールの強み
安否コールは、実際に発生した大規模災害時の情報発信もふまえ、操作しやすさを重視したUIデザインや、回答結果の効果的な活用を意識した集計など、ユーザの使い勝手を追求して開発された安否確認システムです。
災害発生時に気象庁のデータを自動受信した後クラウドサーバ内で高速解析を行い、災害規模と地域を自動判別して登録者へプッシュ通知で自動送信するため、きめ細かな安否確認の設定が可能です。
価格設定は、小規模は50名、中規模以上は100名ごとに定額利用となっており、従業員数の増減を細かく気にせず運用できます。
中小企業から大企業まで、事業規模に応じて必要なサービスがパッケージ化されており、迷うことなくプランを選択できます。
75人以上の利用でLINE WORKSより利用金額が安い
安否コールは、100名単位で月額の利用料が定額設定されており、最小構成だと50名までの月額コストは5,000円、200名までだと18,000円、500名までだと27,000円と、人数が多くなるほどに運用コストが抑えられます。
人数規模 | 月額費用 | 人数規模 | 月額費用 |
1名~100名 | 15,000円 | 601名~700名 | 33,000円 |
101名~200名 | 18,000円 | 701名~800名 | 36,000円 |
201名~300名 | 21,000円 | 801名~900名 | 39,000円 |
301名~400名 | 24,000円 | 901名~1000名 | 42,000円 |
401名~500名 | 27,000円 | 1000名以上 | お問い合わせください |
501名~600名 | 30,000円 |
また、安否コールは平常時から一斉送信機能や掲示板機能などを情報共有ツールとして活用することができ、普段使いの機能もすべて運用価格に含まれています。
初期設定で一度だけかかる費用も、最小構成では80,000円と、導入時や毎月の運用に負担が少ないシステムです。
また、安否コールには、すべてのプランについて、全機能を無制限で1ヶ月利用できる「無料トライアル」が用意されています。
「万が一の対応は考えておきたいけれど、費用はできるだけ抑えたい」と考えている企業も導入しやすいサービスです。
集計表が見やすい
安否確認はメールを送信して返事がきたら終わりではありません。
むしろその後、どのように従業員からの情報を活用するかが重要です。
安否コールは、安否の報告を自動集計し、部署や拠点ごとに人員の被害や建物など周辺被害状況、業務再開状況などを一覧表にとりまとめます。
状況のランク別にグラフを作成することもでき、ひと目で社内の被害状況や影響の範囲、対応状況などを把握することができます。
リアルタイムで集計されているため、災害対策会議を開いて行動計画をたてる前に最新情報を確認するなど、必要な時に的確に情報を収集でき、判断や対策の検討に集中することが可能です。
セキュリティが強固
安否コールは、SSLの採用・不正アクセス対策などセキュリティ面に細心の注意を払い作られています。
中でも特徴的なのが、各種SNSとの非連携です。
SNSは非常に便利な反面、プライバシー保護や機密性に関して重大な問題を抱えています。
安否コールは、情報が漏洩するリスクを最小限に抑えるため、SNSと一切の連携をしていません。
「LINE WORKSのデメリット」で紹介したような、海外への個人情報の流出などは非常に起きにくいため安心して使用できます。
安否コールの弱み
生活のなかに浸透しているLINEと比較すると、安否コールは災害時に活用するシステムという印象が強く、そのままだと操作する機会は少なくなってしまいます。
安否コールは1画面で操作が簡単に行えるよう、シンプルなUIデザインとなっているほか、次のような機能を標準装備しているため、日常の様々なシーンで普段から活用するしくみをつくっておくとよいでしょう。
機 能 | 内 容 |
アプリ | プッシュ通知で確実に連絡を届けます。 |
アンケート | イベントごとに従業員の意向を確認し、コミュニケーションを図ることができます。 |
予約 | 勤務時間外でも確実に連絡できる設定が簡単にできます。 |
リトライ | 何度も自動配信し、回答率100%を目指すことができます。 |
テンプレート | よく使う連絡文や質問などを、無制限で登録できます。 |
GPS | 回答状況とエリア情報とを紐付けることができます。 |
LINE WORKSと安否コールはこんな企業におすすめ
安否確認 for LINE WORKSと安否コールでは、それぞれ得意とする機能が異なります。
自社にとってどの機能が必要かを洗い出して適切に選びましょう。
LINE WORKSはこんな企業におすすめ
安否確認 for LINE WORKSは、次のような要望をもつ企業におすすめといえます。
・すでにLINE WORKSを導入済みで安否確認機能だけ追加したい
・安否確認が必要なスタッフが少ない小規模店舗など、人数に応じた料金設定がいい
・使い慣れたアプリで利用したい
・安否の回答結果は定期的に自動でプッシュ通知してほしい
安否コールがおすすめの企業
普段からアンケート機能を積極的に活用
安否コールは、次のような要望をもつ企業におすすめといえます。
・大人数になっても運用コストを抑えたい
・災害時の対応を意識しながら、普段でも積極的に活用したい
・従業員からの回答結果を簡単に集計し、多角的に活用したい
・実際の大規模災害でも稼働した実績のあるシステムを選びたい
LINE WORKSと安否コールの比較まとめ
安否確認システムは、災害が起きた混乱の中でも確実にすばやく情報を集め、的確な初動対応を行うためのツールです。
安否確認サービスの比較をする際は、それぞれのもつ機能について、自社にあてはめたときに使い勝手がどう異なるかをチェックするだけでなく、集約した情報をどう活用できるか、安否確認の先の効用も意識しながらチェックするとよいでしょう。
弊社が提供する安否コールは、安否確認に特化した豊富な機能と、グッドデザイン賞を受賞した使いやすいUIが大きな特長です。
また導入・運用コストも抑えられる価格設定になっています。
無料トライアルもありますのでぜひ一度お試しください。
「世界中のコミュニケーションをクラウドで最適に」することをミッションとして掲げ、2000社以上の法人向けのデジタルコミュニケーションとデジタルマーケティング領域のクラウドサービスの開発提供を行う防災先進県静岡の企業。1977年創業後、インターネット黎明期の1998年にドメイン取得し中堅大手企業向けにインターネットビジネスを拡大。”人と人とのコミュニケーションをデザインする”ためのテクノロジーを通じて、安心安全で快適な『心地良い』ソリューションを提供している。
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