アドテクニカ・BCPニュースレター 【DXと新型コロナウィルス対策<その1>】
2021/02/14.
前回までは新型コロナウィルスに対する「感染症BCP」についてを書きました。今回からは、それと大きく関わるDXと新型コロナウィルス対策について書いていきます。
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我が国のデジタル行政
ご存知のように昨年9月に安倍内閣が退陣した後に菅内閣が成立しました。菅内閣は、その直後に新型コロナ禍で露呈した行政のデジタル活用の遅れや不備を踏まえて「デジタル庁」の必要性を訴えたデジタル政策を打ち出しました。新型コロナ対策として様々な支援策が打ち出されましたが、デジタル政策の遅れによって同様の支援策を出している欧米や韓国等とは比べられないほどの遅れが明らかになりました。
デジタル行政の実態
2016年1月から、スタートしたマイナンバー制度も大きな予算を掛けたにもかかわらずほとんど利用活用されませんでした。コロナ禍になる前の2019年7月の朝日新聞記事がそれを明らかにしています(https://www.asahi.com/articles/ASM7F3TKPM7FUUPI002.html)。そこにこのコロナ禍による支援策で大量の事務処理が地方自治体にのしかかってきました。例えば、国民一人当たり一律に10万円を支給した「特別定額給付金」が支給されましたが、その事務処理をデジタル処理できる条件としてマイナンバーカード所有者という条件が付けられました。この時点でマイナンバーカード保有者は、わずか15%と言われています。その他の方は、必要書類を郵送方式で市町村に送付したことになります。この内容をチェックして銀行に振り込まれる間までには、どのくらいの人手と時間が掛かったのでしょう。
NHKでこれに関して外国のニュースを放映していました。西ドイツに居住している日本人音楽家の方の話では、同国のマイナンバーカードを使って同様の支援金を申請したところ、2日後に銀行に振り込まれたとの通知があったとのことです。デジタル行政による迅速さがお分かりだと思います。
デジタル行政の改善へ
日本におけるデジタル化の遅れを象徴するのは、ハンコ行政です。行政の文書についているハンコの数を見ると驚くほどのハンコが文書に並んでいます。順番に書類を回して一つ一つにかかる時間を見れば、いかに非効率な業務かが推測できます。同じ文書をデジタルで全員が同時に見て、確認チェックボタンを押せばどんなに早くなるでしょう。この点も新しく行革担当大臣になった河野太郎氏の行革のスピードが絶大な支持を受けています。
同じように、民間企業においても根本的に仕事のやり方をデジタル化によって変えることが求められています。それがDX,デジタルトランスフォーメーションです。次回から中小企業のDXについてお話しします。
<<筆者のご紹介>>
IST経営コンサルティング
石井 洋之
静岡県BCPコンサルティング協同組合 理事
静岡県立大学客員共同研究員・静岡大学講師
中小企業診断士
博士(学術)
「世界中のコミュニケーションをクラウドで最適に」することをミッションとして掲げ、2000社以上の法人向けのデジタルコミュニケーションとデジタルマーケティング領域のクラウドサービスの開発提供を行う防災先進県静岡の企業。1977年創業後、インターネット黎明期の1998年にドメイン取得し中堅大手企業向けにインターネットビジネスを拡大。”人と人とのコミュニケーションをデザインする”ためのテクノロジーを通じて、安心安全で快適な『心地良い』ソリューションを提供している。
- 事業内容
- デジタルマーケティング支援
デジタルコミュニケーションプラットフォーム開発提供 - 認定資格
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